夏の切り花におすすめ18種!長持ちさせるコツや切り花にできる花壇の花も
山田智美
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夏は切り花が持たないと、花を飾ることをあきらめていませんか。夏に長持ちする花を選んで、ちょっと手間をかければ夏だって花のある生活を楽しめます。夏に長持ちする花、切り花が持たない理由、長持ちさせるコツ、夏の切り花に向いているグリーン、栽培して切り花にもできる種類を紹介します。
目次
夏は切り花が持たない?その理由
夏は切り花が長持ちしにくい季節。夏の切り花が長持ちしない一番の理由は気温と湿度の高さです。理由がわかれば対処法も見つかるはず。夏の切り花が持たない理由を詳しく説明します。
雑菌
梅雨から夏にかけて、気温と湿度が高くなる時期は雑菌や最近が発生しやすくなる時期。花瓶の中の水が傷みやすくなるので雑菌が発生します。水と一緒に雑菌を吸い上げた花は内側から雑菌に蝕まれていき、やがて萎れてしまいます。花瓶の水は常に清潔に保つようにしましょう。
蒸れ
湿度が高い時期は植物も蒸れやすくなります。植物は切り花になってからも絶えず呼吸を続けています。湿度が高いと、この呼吸が上手くできなくなり、蒸れて細菌が繁殖してしまいます。対処法は余計な葉を取り除き通気性を良くすること。花瓶に生ける際はぎゅっと詰め込まずに、ゆとりを持たせて生けるようにしましょう。
夏に切り花を長持ちさせるコツ
自宅でできる夏に切り花を長持ちさせるコツのお話です。コツを覚えて上手に花を長持ちさせてください。
水換え
花瓶の水換えは毎日行うのがコツです。毎朝、毎晩換えてもいいくらいです。夏は水が腐りやすい季節。2日水換えを行わないだけで、ずいぶんと水が傷みます。
水換えの際は花瓶の中もきれいに洗います。この時、茎がぬるぬるしているようであれば流水で洗い流しましょう。さらに夏は花瓶の水を少なめにしましょう。すべての茎が5~10cm程度水に浸かっていれば十分です
切り戻し
切り戻しとは、茎の先端を5mm~1cm程度切り戻すことを言います。切り戻しは水換えの度に行いましょう。切り戻しは切り口の鮮度を保つコツです。水の吸い上げを良くする他、雑菌を発生しづらくします。
氷
花瓶の水に氷を入れる方法です。氷を入れることによって水の温度が下がるので、雑菌が発生しづらくなります。氷を入れるタイミングは環境によりますが、就寝時や外出時などクーラーを切ってしまうような時に氷を入れると効果があります。
延命剤
切り花延命剤は、切り花が長くきれいに咲き続けるために必要な栄養が入っています。切り花延命剤を入れると長持ちするのはこのためです。切り花延命剤は水換えの度に入れるようにしましょう。また、水の量に対して規定されている量を入れないと効果が得られないこともあります。用量用法を守って使用してください。
漂白剤
花瓶の水に漂白剤を入れる方法もあります。漂白剤を入れることで水の中の雑菌が繁殖しにくくなるという方法です。漂白剤を使用しても雑菌の繁殖を完全に防げるわけではありません。水換えはこまめに行いましょう。また、花の種類によっては色褪せてくることもあるので注意が必要です。
夏に長持ちする切り花おすすめ8種
ヒマワリ
夏を代表するような花、ヒマワリ。暑い盛りに大輪の花を咲かせるヒマワリは夏に長持ちする切花の一つです。ヒマワリを生ける時は下の方の余計な葉を取り除き、水の量を少なめにしましょう。
ジニア
ジニアは別名を百日草というくらい長く咲き続ける花です。切り花にしても長くきれいな姿を見せてくれます。詰め込むように生けるとカビが発生することがあります。ゆったりと生けるようにしましょう。
ジニア
- ジニアは暑い時期にも花が休むことなく咲き続ける一年草。和名で百日草と呼ばれているのは、百日という長い間咲き続けることからですが、今では5月~11月と百日どころではない長期間咲く草花です。 最近ジニアの新品種が続々と登場し、ビビッドな色からシックな色、また単色だけでなく複色カラーも多く色幅が多いのも魅力です。 ジニアはたくさんの品種と系統があります。草丈も高性種から矮性種まであり、花のサイズも超大輪、大輪、中輪、小輪と色々。咲き方もポンポン咲き、カクタス咲き、ダリア咲き……などとても多様です。 ジニアの最も一般的な品種がエレガンスの系統です。その他リネアリス(ホソバヒャクニチソウ)、プロフュージョンなど最近開発された品種もあります。 最近のジニアは園芸だけでなく切り花としても流通してきたことから、今後ますます品種や色あいが多様になり人気が出てくる花のひとつと思われます。
グロリオサ
外側に反り返るように咲く姿が印象的なグロリオサ。長い茎にたくさんの花を咲かせるので花が終わってもつぼみが次々と開花し、長持ちします。グロリオサは花びらが傷つきやすいので、空間を取るように生けましょう。
グロリオサ
- グロリオサはイヌサフラン科の多年草です。旧分類ではユリ科とされてきました。地下茎は球根になります。 グロリオサは葉の先端が巻きひげ状になり、他の植物やフェンスなどに絡み付いて生長する特性があります。グロリオサは支柱やフェンス、トレリスなど、絡ませてよいものの側で育てましょう。 グロリオサの花は、6枚の細長い花びらがすべて反り返ったように咲く、独特のフォルムをしています。グロリオサの花びらは厚みがあり、ちょっとした刺激で折れたり傷ついたりしやすいので、気を付けて扱うようにしてください。 花色は赤や黄色、オレンジやピンク、白、グリーンなどもあります。明治の末期に渡来したころは花形が独特なためかほとんど人気はありませんでしたが、近年ではクリスマスや正月を中心に通年切り花として人気があります。切り花用に品種改良がおこなわれ、特に高知県での生産が有名です。
アナベル
アナベルは初夏に白い花を咲かせ、徐々にグリーンへと変化していくアジサイの仲間です。グリーンに色を変えてからのアナベルは特に長持ちします。
アンスリウム
アンスリウムは変わったフォルムの花が印象的なサトイモ科の花です。ガラス細工のような質感も魅力です。アンスリウムはほとんど姿を変えずに長く楽しめる切り花です。
アンスリウム
- アンスリウムはトロピカルな雰囲気を醸し出す観葉植物です。 熱帯に生息するサトイモ科の植物であり、赤やピンク色のハート型お皿のような仏炎苞(ぶつえんほう)が特徴的です。 これは花ではなく、ここから細い尾のように出てきた黄色い突起が花になります。 ギリシャ語の「anthos(花)」と「oura(尾)」から花の名前がつけられているそうです。 また、アンスリウムは仏炎苞を含めた花が非常に魅力的ですが、成長期に栄養不足や日光不足になると花を咲かせなくなってしまいます。 仏炎苞はホコリが溜まると汚れが目立つため、定期的に掃除をしてください。また、色が薄くなってきた仏炎苞は剪定してしまうことをおすすめします。
トルコキキョウ
トルコキキョウは1本にたくさんの花を咲かせる、とても豪華な花です。別名をリシアンサスとも言います。淡い花色の品種も多く、暑い夏に涼し気な雰囲気を演出してくれます。トルコキキョウもとても長持ちする花です。
クルクマ
クルクマはウコンの仲間の球根植物です。瑞々しい葉茎とガラス細工のような花が印象的です。クルクマもとても長持ちする花です。クルクマは少なめの水で生けたほうが長持ちします。
ユリ
ユリは夏に可憐な花を咲かせる球根植物。1本だけでも絵になる美しい花です。ユリは1本にいくつかのつぼみがあり、上の花が終わっても他のつぼみがまた咲くので、長い期間楽しめる花です。ユリは水をたくさん吸い上げるので、少し多めの水に生けるようにしましょう。
夏の切り花に合わせたいグリーン5種
ドウダンツツジ
ドウダンツツジは涼し気な枝ぶりが美しい枝ものです。大きくドウダンツツジだけで生けても、他の花に添えるようにしても絵になります。
ミント
ミントは水耕栽培ができるほど丈夫なグリーンです。丈の短い小花と一緒に生けると夏の野原のような景色になります。何より爽やかな香りに気持ちがすっきりします。
トケイソウ
トケイソウは光沢のある葉と巻きひげが可愛いグリーンです。クルクマやアンスリウムのような熱帯の雰囲気の花と相性の良いグリーンです。
リキュウソウ
リキュウソウは先端の巻きひげが可愛らしいつる植物です。和の雰囲気にも、洋の雰囲気にも合う、使いやすいグリーンです。リキュウソウは下の方の葉が蒸れて腐りやすいので、余計な葉は取り除くようにしましょう。
ブプレリウム
ブプレリウムは草丈高く、よく枝分かれしているグリーンです。1本でもボリュームがあるので、大きさを出したいときに役立ちます。群れるとカビが生えてしまうので、ゆとりをもたせて生けるようにしましょう。
夏に切り花にできる!花壇の花5種
トリトマ
トリトマはオレンジや黄色の穂のような花姿が印象的な多年草です。草丈50~100cm程度まで大きくなります。切り花にしても長持ちします。
アスチルベ
アスチルベは初夏から夏に花を咲かせる多年草です。半日陰を好むので、シェードガーデンの強い味方です。白やピンクの花は涼やかな印象で、顔の明確な花と一緒に生けると優しく柔らかい雰囲気になります。
アスチルベ
- アスチルベは日本の山野にも自生する多年草です。円錐形の花茎を伸ばし、ふわりとした小さな白やピンクの花をいっぱいに咲かせます。花壇でたくさんの花穂が風にゆれる姿はとても可憐です。 梅雨の時期から咲き始めますが、雨に当たっても花が傷みません。多湿に強いのはアスチルベの大きな特長。根腐れに気をつかう園芸品種が多い中、日本の気候にぴったり合ったアスチルベは育てやすさ抜群です。 寒さにも強く、多少日当たりのよくない場所でも花を咲かせてくれる丈夫な植物です。 耐陰性があるので、シェードガーデンに彩りを添えてくれる他、花が終わった後も冬まで葉をよく茂らせてくれるので、グランドカバーとしても使えます。
エキナセア
エキナセアは大きく盛り上がる中心部が印象的なキク科の多年草です。花径は5~8cm程度と大きく、それだけで絵になる花です。たいした手間をかけずとも毎年花を楽しめるのも魅力です。
モナルダ
モナルダは別名をタイマツバナやビーバームとも言い、独特のフォルムが魅力の花です。花色が豊富で、全草に芳香があることで人気のハーブでもあります一輪飾っておくだけで景色ができるような花です。
モナルダ
- モナルダは、夏の開花期間の長い宿根草のハーブです。和名が「タイマツバナ」と言われるのは、もともとの種が赤い花でタイマツのような形に見えることからきています。最近は、品種改良が進み、赤の他、白、ピンク、パープル(紫)など、たくさんの品種があります。 暑さ、寒さに強く、花丈も高い宿根草なので、夏の花壇の後方に植栽すると見栄えがします。性質が強く、植えっぱなしでどんどん大株になります。 モナルダは、ミカン科の柑橘のベルガモットと香りが似ていることから、ベルガモットとも呼ばれます。アロマオイルのベルガモットは柑橘のベルガモットで、モナルダとは別になります。 花は切り花としても出回っていて、生花の他、ドライフラワーにすることもできます。
ルドベキア
ルドベキアは黄色や赤、茶色などの花を咲かせる、キク科の一年草、または多年草です。10cmくらいの大輪から3cmくらいの小花まで品種により花径はさまざまです。和の雰囲気にも洋の雰囲気にも似合います。
ルドベキア
- ルドベキアはキク科の丈夫な一・二年草、または多年草で草丈40~150cmになり、直径4~5センチの花を次々と咲かせます。ルドベキアの花期は6月ごろから始まって8~10月ごろに最盛期を迎えます。ルドベキアは別名マツカサギクと呼ばれ、花が終わると花芯が円柱状に伸びてまるで松かさのように見えることから名づけられました。近年、品種改良がおこなわれ、通常の一重咲きのほかに蛇の目咲きや二重咲き、八重咲きがあるほか花色も黄色だけでなく橙色や褐色などがあります。花壇ではヒルタ種が多く使われ、グラウンドカバーにはフルギダ種が使われることが多いです。いずれも丈夫で育てやすく花期も長いので群植すると見ごたえがあります。
夏に切り花を長持ちさせるコツと、夏に長持ちする切り花を紹介しました。夏はどうしても切り花が長持ちしない季節。春や秋と同じ花を楽しもうとしないで、夏には夏の花を楽しみませんか。「こんなに可愛い花だったんだ!」というような新しい発見があるかもしれません。夏の暑い盛りも花のある生活を満喫してください。
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