雪柳(ユキヤナギ)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- 雪柳(ユキヤナギ)
- 学名
Spiraea thunbergii
- 英名
- Thunberg’s meadowsweet
- 和名
- 雪柳
- 科名
- バラ科
- 属名
- シモツケ属
- 原産地
- 中国
雪柳(ユキヤナギ)の特徴
雪柳は、春になると垂れた長い枝に白やピンクの小さな花を沢山つけることが特徴です。葉は小さくて細かく垂れた枝に付いているので、枝ぶりの姿は柳に似ています。一昔前までは、雪柳の花の色は白だけでしたが、近年はピンク系の新しい品種も増えてきました。花が満開になっていると、雪が積もったような感じに見えます。 また、雪柳は生育が良い植物なので、公園の花壇などに植えられています。開花後に株元まで切り戻しても新しい枝が伸びて、翌年には綺麗な花が咲きます。「雪柳」と呼ばれているので、花の開花時期が雪の降る冬の季節に思われがちですが、桜と同じように早春ごろから咲き始める植物です。
雪柳(ユキヤナギ)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 1m~2m程度 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
花色 | 白 |
開花時期 | 4月頃 |
雪柳(ユキヤナギ)の種類・品種
昔の雪柳は白い花が咲く種類だけでしたが、最近では、ピンク系の花が咲く「フジノ・ピンク」や葉の色が黄色から緑色に変わる「オウゴン」などがあります。
雪柳(ユキヤナギ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
肥料 |
雪柳(ユキヤナギ)の栽培環境
日当たり・置き場所
雪柳は日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。数年すると横幅が大きくなる植物のため、地植えで育てるのが一般的です。丈夫な植物で場所を選ばず植え付けることができるタイプの植物ですが、花を咲かせるためには、日当たりが必要です。
用土
雪柳は痩せた土でも育ちますが、水はけが良く有機質の土壌環境を好むので腐葉土や堆肥を加えると良いです。
雪柳(ユキヤナギ)の育て方のポイント
水やり
地植えの雪柳は、特別に水やりをする必要はないですが、夏の酷暑がつづいたりした時は株元や葉を中心に水やりをします。
肥料
1月から2月にかけて寒肥を株元に施肥するので、追肥として開花後の5月に化成肥料を株元の周りに施肥します。
病害虫
葉に白い粉がかかったようになる「うどんこ病」とカイガラムシやアブラムシの害虫被害を受けやすいです。いずれも、枝などが混んできて風通しが悪くなっていることが原因です。
うどんこ病:植物の葉などに粉をまぶしたように白くなるのがうどんこ病です。うどんこ病は5月~6月と9月~10月に発生しやすい病気で、はじめはぽつぽつと白く粉をふいている感じに見えますが、悪化してくると葉の全面が真っ白になっていき、植物全体に蔓延すると茎や果実にも発生し、とても厄介です。早めに対策しましょう。
カイガラムシ:カイガラムシがつくと樹液を吸われてしまい、株が弱り生育も悪くなり衰え枯れてしまいます。カイガラムシは国内で約400種が発見されており、大きさや形なども様々であり、カイガラがあるのとないものもいます。野菜や果樹、草花、サボテン、ラン、観葉植物と様々な植物に発生し、吸汁(きゅうじゅう)します。
アブラムシ:アブラムシは3月から5月に多く発生する害虫です。新芽や茎、若い葉や葉の裏にくっついて吸汁して株を弱らせます。春から秋に発生するので見つけ次第、駆除しましょう。
雪柳(ユキヤナギ)の詳しい育て方
選び方
雪柳の苗はどの苗を選んでも育ちやすいですが、植え付ける場所にあった大きさの苗を選ぶことが大事です。
植え付け
雪柳は丈夫な植物なので梅雨や真夏の時期を避ければいつでも植えつけをすることは可能ですが、2月から3月が適期です。早春に咲く品種は、10月から11月頃に植えつけをすると花芽が付くまでに根が張ってきます。何年もすると株が大きくなる植物なので、植え付ける時は隣の植物との間隔をあけましょう。
仕立て方
雪柳は地面からたくさんの枝を出し、何年もすると枝がかなり混みあってきます。定期的に古い枝や混みあった枝を地際で刈り込んで、風通しのよい状態にすると病害虫の害にあいにくくなるとともに、見た目も美しい株姿になります。
雪柳を自然樹形で植栽したい場合は、枝先で剪定をすると、せっかくの美しく枝垂れるように咲く雪柳のよさが出せません。不要な枝は根元から剪定するのがが美しい樹形に仕立てるコツです。
剪定・切り戻し
雪柳の剪定は基本的には2回に分けて行います。開花後から5月中旬まで、そして開花前の1月から2月にかけて枯れ枝等を切る剪定を行います。雪柳を自然樹形で植栽したい場合は、枝先で剪定をすると、せっかくの美しく枝垂れるように咲く雪柳のよさが出せません。不要な枝は根元から剪定するのがが美しい樹形に仕立てるコツです。
花
雪柳の花は4月に開花します。枝垂れるように生長する雪柳の枝一面に花が咲く光景は「雪柳」という名前ぴったりの美しい姿です。
収穫
雪柳は生花としても流通しています。
冬越し
雪柳は寒さに強いため、特別な冬越しの必要はありません。雪柳は落葉樹なので、冬場は見た目は枯れ木のような状態になりますが、3月ごろになると新芽が芽吹きます。芽吹きはじめの瞬間の雪柳もとても美しい姿です。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
雪柳を挿し木で増やす場合は、開花前の3月に行います。挿し木に使う挿し穂は、枝の先端から15㎝位のところを切った枝を使います。雪柳の挿し穂は、切り口を水の中に入れて半日から一日位は浸しておきます。挿し木の箱の中に硬質の赤玉小粒を入れて、その中に挿し穂を挿していきます。土の表面が乾燥しないように注意をして、半日陰のところで管理すると1月から2か月位で根が出てきます。新芽がでてきたら庭に植えたり鉢上げをしたりして植え替えします。
根詰を起こした雪柳の改善法
雪柳は丈夫な植物なので生長が衰えることはあまりないですが、株の根づまりが原因で生長が衰えてしまうことがあります。その改善方法として、株を中心として周りに新しい溝を掘ってあげることです。掘った新しい溝にいれる新しい用土には、堆肥や腐葉土を混ぜて入れ、新しい根が出やすい環境を作ってあげることです。この根づまり改善方によって、雪柳の根の生育が再び活発になり、小さくてかわいい花を楽しませてくれます。