ハナミズキ(花水木)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- ハナミズキ(花水木)
- 学名
Cornus florida
- 英名
- Flowering dogwood
- 和名
- 花水木
- 科名
- ミズキ科
- 属名
- サンシュユ属
- 原産地
- 北アメリカ
ハナミズキ(花水木)の特徴
桜が開花し終わった時期に花を咲かせるハナミズキ。見ごろは4月から5月にかけてです。落葉樹として知られているハナミズキですが、10m以上まで生長します。分布も全国各地。極端に寒さの厳しい地域では生育が見られませんが、大抵の場所なら育てることが出来ます。
ハナミズキの葉は、枝の先に楕円形についています。花は、桜の様な形に見えますが、花弁が付いているわけではありません。花に見える部分は、花弁ではなく、葉が変形した総苞(そうほう)、です。実際の花弁は総苞よりも中央にあります。
ハナミズキの寿命は桜と同じく80年程度と言われています。
ハナミズキ(花水木)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 10m |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
花色 | 白,赤,ピンク |
開花時期 | 4~5月 |
種を採取した後は冷蔵保存
ハナミズキの種は、赤い果実の中に隠されています。種から育てることは中々難しいため、あまり行われることはありませんが、大きくするという目的で無ければ鉢植えなどで栽培することもできます。入手した実の果肉を水洗いで取り除くと小さな種が現れます。この種は年を跨ぎ3月頃に種まきをするので、保存をしておきます。この時、種を乾燥させてはいけないので、一番よい保存場所は冷蔵庫。冷蔵庫の片隅で水分を蓄えながら次の春を待ちましょう。
ハナミズキは日本各地で大人気
ハナミズキをモチーフに歌った歌がよく知られて人気がありますが、実は、市や区などにも大人気です。というのも、ハナミズキは美しい姿と花言葉から、市や区の指定花になっているのです。埼玉県蓮田市、東京都武蔵野市、西東京市、静岡県静岡市、愛知県一宮市、清洲市、兵庫県尼崎市…等々。現在わかっているだけで18もの地区に指定されています。もしかしたら貴方の地域もハナミズキが指定されているかもしれませんね。
ハナミズキ(花水木)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
ハナミズキ(花水木)の栽培環境
日当たり・置き場所
ハナミズキは日当たりの良い場所を好みます。半日陰の場所でも育ちますが、花付きを望む場合は、日あたりの良い場所に植えるようにしましょう。
用土
ハナミズキは地植えで育てる場合がほとんどなので、水はけの多い場所を選ぶ事が大切です。家の庭などに植えようと考え、水はけの良い場所を探しても見つからないと言うのであれば、砂利や赤玉土を撒いておくとよいでしょう。また栄養分が足りない様であれば、腐葉土を撒いておくことが必要です。
ハナミズキ(花水木)の育て方のポイント
水やり
地植えのハナミズキは、根付いてからは特に水をやる必要はありません。ただし、真夏の暑い時期は土が早く乾燥してしまうので適度に水をやると元気に保ってくれるでしょう。まだ鉢植えのハナミズキは、土が乾いたらたっぷりとを目安に水やりをしましょう。
肥料
追肥を行うのは主に鉢植えのハナミズキです。まだ生長途中なため、沢山の養分を必要とします。特に必要なのは、花が咲くまでの9月~2月の間。一か月に一度程度で良いですが、追肥を行うと大きな生長が見込めます。
病害虫
花が咲き終え次の生長段階に入る梅雨や実が熟す秋口に「うどんこ病」という病気が発生します。葉の表面を白く覆い、光合成が出来なくなってしまうのです。対策としては、うどんこ病が発生した葉を切り取り、殺虫剤、水溶系の殺菌剤を散布すると良いでしょう。
ハナミズキ(花水木)の詳しい育て方
選び方
葉をチェックすると同時に根を見ることが大切です。根が太いものは根元の土から細い根が必ず見えるはず。鉢の中で根が沢山付いている証拠です。また、直接見るとよい事は時期が合えば花が咲いているものにお目に掛かれます。どんな花が咲くか期待出来ます。
種まき
種から育てる場合はほとんどありませんが、もし種から育てる場合は、まずポットでいくらか生長させることです。小さな区画で管理し、苗となったところで植え替えします。
植え付け
庭への植え付けは根が隠れる程穴をしっかり掘り、苗木を入れ、木がぐらつかない様に土で覆います。場所が決まったら、水をたっぷりとかけ、根と土を固くなじませます。倒れるのが心配であれば添え木をすると安心でしょう。ハナミズキは自然樹形で育てると、広く枝を広げ、高さも10m以上、一戸建ての2階くらいの丈にはなります。自然に育てる場合は場所をとって植栽しましょう。
剪定・切り戻し
剪定する場合は花芽ができる前に一度、冬の落陽期に一度行うときれいに保つことができます。花後剪定は花が終わった後、5月ごろに基本的な樹形を整えるための剪定を行います。伸びすぎた枝と、枝が重なり合っている場所を剪定し、どの枝にも日光が行き届くようにします。11月~3月までの剪定は落葉しているので枝がよく見えますから、花芽を落とさないように整枝剪定を行います。
ハナミズキの花芽は6~7月ごろに分化するため、それ以降に剪定するときは注意が必要です。
花
4月~5月に開花します。
収穫
実の成り始めは4月~5月。花の終わり時期です。そこから秋に向けて真っ赤な実を熟していきます。完熟は10月頃。赤くて美味しそうな実が熟しますが、こちらは食べるのには不向きです。
夏越し
特別な夏越しは必要ありませんが、ハナミズキの花芽は6~7月ごろに分化するため、それ以降に剪定するときは注意が必要です。できれば6月以降は慣れた方以外は、剪定しないほうがいいでしょう。
冬越し
寒さには強い花木なので、特別な冬越しの必要はありません。ハナミズキは紅葉も美しい花木です。落葉樹の中では、比較的早めに落葉します。
ハナミズキの花が咲かない原因は?
木が生長途中
ハナミズキに限らず、木は花をつけることにも実をつけることにもエネルギーを使います(生殖生長)。木の生長期、まだまだ生長したい場合には花や実にエネルギーを回せないことがあります。苗を買ってきてまだ年数が浅かったりすると木は葉や枝・根を伸ばす方にエネルギーを使うため(栄養生長)花や実にまでエネルギーが使えない場合があります。
日照不足
ハナミズキはお日様を好むので日当たりが悪いと花付きが悪くなります。また、日当たりが良い場所に植えてあっても、枝が混んでいたりすると中の方の枝には日が当たらず、花が付かなくなることがあります。徒長枝などのひょろひょろした細い枝には付きませんので、適期剪定が必要になります。
土が適していない
土に栄養分がない、もしくはすでに分解されてしまったなど、何らかの理由で栄養がない土になっている場合、花がつかなくなることがあります。
去年咲きすぎた
沢山花芽が付いた後の年は花が咲かなかったり、花芽が付いても数が少なかったり、といったムラがある場合があります。例年よりたくさん花芽が付いた時、翌年も適度な花付きを望む場合は蕾を取ってしまう摘蕾を行ってあげるとムラが少なくなるでしょう。
沢山花が咲いたときは
お礼肥料をまきましょう。花後6月ごろに、木の枝の外周に沿って、10cmほど穴を掘り、肥料を混ぜ込みます。また、休眠期の11月~3月ごろにも寒肥と言って冬越しのための肥料をまきましょう。