牡丹(ボタン)の育て方|植物図鑑

植物名
牡丹(ボタン)
学名

Paeonia suffruticosa

英名
Tree peony
和名
牡丹
別名・流通名
花王、花神、廿日草、鎧草、忘れ草、ぼうたん、深見草、花中の王
科名
ボタン科
属名
ボタン属
原産地
中国北西部

牡丹(ボタン)の特徴

牡丹と芍薬の花はよく似ていますが、芍薬は草本、牡丹は木本の落葉低木です。春になると新芽が芽吹き、先端に花径15~40cm程の花をつけます。花形は一重、八重、千重、万重、獅子咲きなど、種類が多い植物です。

一般的には春咲きの春牡丹ですが、春牡丹より小ぶりで、春と初冬の年二回咲く寒牡丹という種類もあります。その他、冬牡丹と呼ばれている牡丹は、春牡丹を温度管理によって人工的に冬に咲かせたものです。

牡丹の花色は白、桃、紅、朱赤、黄、絞りや複色など種類が豊富です。中国原産の花木で、奈良時代に薬用木として渡来し、その後改良が進んだ結果、中国の品種とは異なる独自の品種群がつくりだされました。欧米で改良された品種群にフランスボタン、アメリカボタンがあります。

牡丹(ボタン)の詳細情報

園芸分類 庭木、落葉
草丈・樹高 1~2m
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
花色 白、ピンク、赤、紫、黄
開花時期 4月~6月、10月~1月

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

古くから、美しい女性の姿を形容する言葉として「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉があります。なぜ立ち姿が芍薬で座るのが牡丹なのかというと、芍薬はスラリと伸びた茎に花が咲くので立ち姿を連想させ、牡丹はどっしりと横に広がるように伸びた幹から花を咲かせる様子が椅子に座っている姿に見えることからです。

牡丹(ボタン)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花

牡丹(ボタン)の栽培環境

日当たり・置き場所

春と秋はしっかりと日が当たり、夏は半日陰、冬は冷たい風が当たらない場所が理想的です。真夏の西日は寒冷紗などで遮りましょう。

用土

水はけと水持ちの良い土を好みます。庭植えの場合は植え付け時に堆肥をたっぷりと施します。鉢植えの場合は赤玉土と腐葉土を配合するか、草花用の培養土でも問題ありません。

牡丹(ボタン)の育て方のポイント

水やり

鉢の表面の土が乾いたら水やりをします。水の与えすぎは、接ぎ木部分が腐る原因になるため、乾いたら与えましょう。

肥料

牡丹は肥料を好む性質ですが、植え付けてから初めての花が開花するまで期間の肥料は必要ありません。

最初の花が咲いた年以降は、3月に芽出し肥え、花後のお礼肥えを忘れないようにします。根が地表近くに張るので緩効性化成肥料を株元に施しましょう。夏の高温期は不要です。

病害虫

病気は4月~10月頃にうどんこ病炭疽病や褐斑病にかかることがあります。害虫はコガネムシ類の食害やカイガラムシに注意しましょう。

牡丹(ボタン)の詳しい育て方

選び方

接ぎ木苗で品種が確実なものを選びます。台木が伸びていないもの、太い茎と生き生きとした芽が出てるもの、鉢植えの場合、しっかりした花芽が3個以上あるものを選びましょう。

種まき

鞘から種を取り出したら水につけ、沈んだものだけをすぐにまきます。

適期は9月~10月頃で種が乾燥すると発芽に時間がかかります。実生では親と同じ花は咲かず、開花までには3年以上かかります。

植え付け

夏の暑さが苦手で休眠期に入るので、春植えではなく秋植えにします。植え穴は40~50cmほど大きく掘り、堆肥や牛フンをバケツ一杯ほどすきこみ、地表から15cmほど盛り上げて高めに植えます。接ぎ木部分は10cmほど隠れるようにし、ボタンの自根を出させるようにします。株間は1mくらい取るとよいでしょう。

1年目は花芽を取り、花を咲かせず木を生長させる方がよいでしょう。

摘芯(摘心)・摘果

一つの花を大きく咲かせるために「かき芽」をします。かき芽は咲かせたい向きに着いた蕾を残し他を摘み取りましょう。

剪定・切り戻し

9月頃に葉が黄ばんできたら、葉を全部摘み取り枝だけにします。次に細い枝や内側に伸びる枝を切り落とします。さらに残った枝は、2~3芽を残して切り詰めておきます。台芽が伸びていたらかきとりましょう。

植え替え・鉢替え

植え替えはできる限り避けましょう。牡丹は植え替えを嫌うので生長が悪くなったなどの理由がない限り不要です。株の寿命は15年と言われています。

春に蕾が膨らむと、花が風に揺れて傷んだり折れやすいので、支柱をして固定しましょう。冬は雪除け等を作ると雨風、雪から花を保護することが出来ます。

咲き終わったら次の花を咲かせるため、花のすぐ下にある節の当たりで切ります。

収穫

種を収穫したい場合、最初に咲いた花を開花後も切らず、そのまま育てましょう。その際、株から他に出てくる花はかき芽をすると、栄養が行き届いた種が収穫できます。種を収穫した株は翌年咲く花は小さくなります。

夏越し

夏は根が乾燥しないように水苔などを敷いて、乾燥しない様にしましょう。また真夏の直射日光は傘や簾等で保護するとよいでしょう。

冬越し

冬の寒さが春咲き種には必要です。凍結を防ぐため、土の上に藁や水苔等を敷きましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

牡丹はつぎ木で増やすのが一般的です。時期は8月~9月が適期です。芍薬の根を台木(土台)として、カミソリ等で切り込みを入れます。その切り込みに牡丹の穂木(育てたい木)を差し込みます。

3つ程新芽が出た枝を台木の切り込みに形を合わせ、鋭く斜めに切って差し込みます。差し込んだらビニールテープや麻ひも等で固定します。新芽が伸び始めたら挿し木は成功です。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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