花も収穫も楽しめる!美しい家庭菜園ポタジェガーデンの作り方
山田智美
このライターの記事一覧
ポタジェ、ポタジェガーデンという言葉を聞いたことはありますか?ポタジェガーデンとは、野菜も花も一緒に楽しめる家庭菜園のことです。
ポタジェの意味や基本情報から、おすすめの野菜や花、ハーブ、コンパニオンプランツの情報とあわせて、ポタジェのとっても簡単な作り方を紹介します。
目次
- ポタジェとは?ポタジェの意味と基本情報
- ポタジェガーデンの魅力
- お庭で簡単にできる!ポタジェガーデンの作り方
- ポタジェガーデンのレイアウト
- ポタジェガーデンに欠かせないコンパニオンプランツたち
- ポタジェガーデンにおすすめの野菜
- ポタジェガーデンにおすすめの花とハーブ
- おしゃれでおいしいポタジェガーデンの楽しみ方
ポタジェとは?ポタジェの意味と基本情報
ポタジェ(potager)とは、フランス語で菜園、または家庭菜園を指す言葉です。英語にも家庭菜園という意味を持つキッチンガーデン(kitchen garden)という言葉があります。
従来の家庭菜園のイメージは庭の中で畑にするエリアを区切り、そこに畝を作って野菜や果物を植えるというものでしたが、ポタジェガーデンは違います。
ポタジェガーデンでは菜園部分も庭の一部として考え、食用にする野菜やハーブ、果物と一緒に、美しい草花や花木も植えて楽しみます。
実用性と趣味や楽しみ、さらには美しさを兼ねたお庭、それがポタジェガーデンです。
ポタジェガーデンの魅力
ポタジェガーデンはなぜそんなに人気なのか?ポタジェガーデンの魅力を紹介します。
ポタジェガーデンの美しさの魅力
ポタジェガーデンでは、今まで知らなかった野菜の花にも出会えます。スイカの花の可愛さに感動するかもしれません。オクラの花が見たくて、毎日早起きするようになるかもしれません。
ポタジェガーデンの育てる魅力
ポタジェガーデンで育てた野菜はすべて自分の手作りなので、安心して食べられます。収穫という目的があればこそ、日々のお手入れも楽しくなります。
ポタジェガーデンの収穫の魅力
ポタジェガーデンでは、収穫までの生長を観察することができます。野菜の収穫時、食べ頃を見極められるようになります。
何よりも、自分で育てた野菜を自分で調理して食べるという喜びは何にも代えられないくらいです。
お庭で簡単にできる!ポタジェガーデンの作り方
お庭やバルコニースペースがあれば、ポタジェガーデンを作ることができます。難しいことは何もありません。ポタジェガーデンの基本的な作り方を紹介します。
ポタジェガーデンの基本的な作り方!日当たりを見極める
ポタジェガーデンを作ると決めたら、お庭の日当たりを観察しましょう。日当たりには色んなタイプがあります。午前か午後しか当たらない、落葉樹の影で秋から春は日当たりがよく夏は日陰になる、建物の影で一日数時間しか日が当たらない等、日当たりを観察して、その場所に向いているものを植えるのが成功の秘訣です。
ポタジェガーデンの基本的な作り方!土の水はけを観察する
ポタジェガーデンを作る時にもう一つ確認してほしいのが、水はけです。水はけが悪い場所に乾燥を好む野菜を植えても育ちません。逆も然りです。
一日中ジメジメとして苔が生えているような場所、乾燥気味の場所など、しっかりと観察をして、必要であれば土壌改良をするようにしましょう。
バルコニーでポタジェガーデン!コンテナガーデンのすすめ
バルコニーでポタジェガーデンを作るなら、コンテナガーデンにしましょう。コンテナガーデンとは鉢を並べて作るお庭のことです。
好きなサイズやデザインの鉢を用意してコンテナガーデンを始めましょう。コンテナガーデンは高低差を出すのも簡単。レイアウトが自由自在です。
ポタジェガーデンのレイアウト
美しいポタジェガーデンを作るためのレイアウトのコツをご紹介します。
ポタジェガーデンのレイアウト!スペースの確保
ポタジェガーデンのレイアウトの基本は、生長の為のスペースの確保と動線の確保です。植物は生長すると縦にも横にも大きくなります。奥に植えた植物のお世話が出来なくなったら大変です。必ず歩けるスペース、作業スペースを作りましょう。
ポタジェガーデンのレイアウト!高低差をつける
マメの仲間やウリの仲間のようなつる植物は支柱を立てて誘引する必要があります。支柱は円錐や三角錐のような形にして細く高く組めば、スペースを取らない上にお庭の景観に高低差を出すことができます。
高低差をつけることで、平坦になりがちな家庭菜園の景色に変化が生まれ、ぐっとポタジェガーデンらしさが増します。
ポタジェガーデンに欠かせないコンパニオンプランツたち
コンパニオンプランツをご存知ですか?コンパニオンプランツとは一緒に植えることで病害虫の忌避に繋がったり、生長促進効果があったりと、相互によい影響を与え合う植物の組み合わせです。
例えばニンニクとイチゴを一緒に植えると害虫忌避、ウリの仲間とネギの仲間を一緒に植えると病気を防ぐといった効果を期待できます。
ポタジェガーデンの楽しみの一つは収穫です。無農薬の新鮮な野菜やハーブを食べるためにコンパニオンプランツを上手に利用しましょう。
▼コンパニオンプランツについて詳しくはこちら
ポタジェガーデンにおすすめの野菜
ポタジェガーデンに植えるなら、見た目にも美しく、食べておいしい野菜の方が楽しみが増えます。ポタジェガーデンにおすすめの野菜をご紹介します。
スイスチャード
スイスチャードはカラフルな茎を持つ、アカザ科の野菜です。葉はホウレンソウのようなフォルムで明るいグリーン、茎は赤や黄色、オレンジ、紫など鮮やかな色をしています。
カラーリーフとしてお庭の中の彩りになるので、ポタジェガーデンにおすすめです。収穫後は洗ってサラダにしたり、オイルで炒めて食べることができます。
スイスチャード
- スイスチャードの和名である不断草(ふだんそう)という名は、真冬には生育は鈍りますが、ほぼ1年を通して育て収穫できることから名前が付いたといわれています。暑さ寒さに強いスイスチャードは、とても育てやすい野菜です。 スイスチャードの葉の軸は、赤・白・黄色・紫・オレンジなどカラフルな色合いがあり、サラダなどの彩りにもよく使われます。お洒落な野菜として、家庭菜園でも人気となっています。 日本では、まだ馴染みが薄い野菜かもしれませんが、最近では野菜として育てる以外にも、葉色の美しさからガーデニングのカラーリーフとしても育てられ、人気が出ています。 同じアカザ科のほうれん草が少なくなる真夏の時期にも収穫でき、淡白な味わいから、様々な葉物野菜の代用として料理に使われます。また、スイスチャードが小さいうちは、カラフルなベビーリーフとしても重宝します。
ミニトマト
ミニトマトはとても生長が早く、初夏に植え付けてから初秋まで次々と収穫が楽しめる野菜です。ポタジェガーデンでミニトマトを育てれば、夏の間はトマトに困ることがないでしょう。採れすぎたトマトは冷凍保存して、トマトソースやスープに利用できます。
ミニトマト
- トマトの原種は、大玉トマトではなくチェリートマト(ミニトマト)ということが植物学者たちの調査により分かっています。大玉トマトの方が突然変異として、チェリートマト(ミニトマト)よりも後に生まれました。アンデス高原に自生していたトマトの野生種は、いずれもチェリートマトの種類だったようです。 チェリートマト(ミニトマト)は原産地では多年草ですが、日本のような温帯で育てると一年草として栽培されます。 野生種のトマトは、メキシコから北米に伝わり、実際に栽培されるようになったのは19世紀に入ってからです。ヨーロッパへ伝わるには、コロンブスの新大陸発見が大きく影響し、ヨーロッパでトマトを食べるようになったのは、18世紀以降といわれています。 当初、トマトは観賞用として育てられ、食用とされることはありませんでした。というのも、新大陸からヨーロッパに伝わった時に、トマトの実がとても赤いために有毒植物と信じられていたからです。 日本に伝わったのは、17世紀の江戸時代ですが、同じように観賞用として伝わってきました。やはり「赤茄子」としての価値しか見出せず、しばらくの間観賞用としてのみ育てられていたそうです。 完熟の実にはほとんど含まれていませんが、じつはミニトマトやトマトの花・葉・茎などには、「トマチン」という有害物質が多く含まれています。そのため、ピーマンの葉は食すことはできますが、ニトマトやトマトの葉は食べることができません。 現在では、様々な品種が改良され、青臭さもなく、まるでフルーツのように甘いミニトマトもでき、人気の野菜の一つです。 ミニトマトは緑黄色野菜の1つで、クエン酸、リコピン、グルタミン酸など栄養も豊富。健康や美容に効果があることも人気の理由。サラダから、煮込み料理、ソースなど様々な料理に使えます。 ▼ミニトマトを使ったセミドライトマトの作り方はこちら 簡単!ミニトマトを使ったセミドライトマトのオイル漬け&4種のハーブクラッカー LOVEGREEN編集部のベランダで収穫したミニトマトを使って、セミドライトマトのオイル漬けと、4種のハーブ… 戸松敦子 2021.06.28 料理・レシピ
チコリー
チコリーは僅かに苦みのある葉がクセになる野菜です。明るいグリーンや濃い紫の品種があるので、ポタジェガーデンのなかでカラーリーフとしての役割も果たしてくれます。
チコリーの葉の上に冷菜を載せてチコリーボートにすると、食卓を楽しく演出できます。
チコリー(アンディーブ)
- チコリーはヨーロッパ原産の野菜で、栽培の歴史は古く、古代エジプトにさかのぼります。 葉を食用にし、肥大した宿根を焙煎して珈琲のような飲用方法で飲まれていたようです。 普通に栽培される他に、軟白栽培の方法があります。 独特の苦みがあるチコリーですが、軟白栽培することで普通に栽培するよりも甘味が出るようです。 普通栽培ではチコリーの葉は品種により緑色や、赤色になりますが、軟白栽培ではクリーム色や薄い黄緑色になります。 春に種をまくと、初夏にとう立ちしやすい性質を持っているため、秋まきの方が育てやすいようです。 結球するタイプのチコリーの葉を一枚ずつ外すと、船の形をしています。それを、器のように見立て食材をのせるオードブルスタイルが多くみられます。
ポタジェガーデンにおすすめの花とハーブ
ポタジェガーデンにおすすめの花には、虫媒花の役割を果たしてくれる上に病害虫忌避効果のあるマリーゴールドや、エディブルフラワーとして有名なナスタチウムなどがあります。
他にもポタジェガーデンにおすすめしたい花をいくつか紹介します。
ゼラニウム
ゼラニウムは葉に芳香があり、花も楽しめるハーブです。ゼラニウムの中でも香りが強い品種は虫除け効果があると信じられてきました。ゼラニウムの葉に触れるととてもよい香りが楽しめます。虫除け効果の真偽はわかりませんが、ポタジェガーデンのお手入れの途中に香りに癒されるのも楽しみの一つになりそうです。
ゼラニウム
- ゼラニウムはフウロソウ科ペラルゴニウム(テンジクアオイ)属の半耐寒性多年草です。品種により日本では越冬できないものもありますが、緑の葉を残し越冬する品種も多くあります。少し厚みのある葉と瑞々しい太さのある茎を持ち、乾燥に強いのが特徴です。 ゼラニウムの花は春から初夏にかけて開花する一季咲きの種類と、環境さえ合えばほぼ一年中開花する四季咲きの種類があります。ゼラニウムには数百種の品種が存在すると言われていて、その花は色も咲き方も多様です。大きな花びらを平たく開かせる咲き方のものや、スミレを思わせるような華奢な花びらを立てるように咲かせるものなどがあります。花色も赤やピンク、白などのほかに複色の複雑な表情を見せるものなど、バリエーションが豊富です。総じて一つの花茎に対して複数の花を毬のように咲かせます。 ヨーロッパの街並みの風景写真で、窓辺に赤やピンクの花の鉢植えが飾られている様子があります。この花の多くはゼラニウムです。ヨーロッパでは、ゼラニウムの中でも香りが強い品種には虫除け効果があると言い、窓辺に飾る習慣がありました。日本でもハーブゼラニウムと呼ばれ、香りを楽しむタイプのゼラニウムは人気があります。
ボリジ
ボリジは真青な星形の花が可愛いハーブです。ボリジの花はエディブルフラワーとして食べることができます。さらにボリジの青い花は白ワインに浮かべるとピンク色に変化するという特徴もあります。
ボリジ(ルリジサ)
- ボリジは地中海沿岸に自生する一年草のハーブです。花後に種を付け枯れていきます。 春に種をまくと、初夏から夏にかけて花を咲かせ、秋にまくと大型に生長し、草丈は1mほどになり、翌春に花を咲かせます。ボリジはこぼれ種でも発芽するほど繁殖力があるので、環境にあうと1年中発芽する場合もあります。 ボリジの花の色は濃い青色と白があります。ボリジの青色は聖母マリアの青い衣を描く時に使われたことから「マドンナ・ブルー」とも呼ばれています。 ボリジの葉の表面は白い剛毛が生えており、触れるとチクチクします。稀に葉にかぶれる人もいるため、注意が必要です。 ボリジの花にはミツバチなどの受粉時の送粉者(ポリネータ)が集まり、周りの植物の実付きがよくなると言われます。
コモンマロウ
コモンマロウは和名をウスベニアオイとうハーブです。草丈高く生長するので、ポタジェガーデンのなかでアクセントになります。春から初夏にかけて咲く花で作るマロウティーは、真青できれいな色をしていますが、そこにレモンを入れるとピンク色へと変化します。
おしゃれでおいしいポタジェガーデンの楽しみ方
ポタジェガーデンの魅力は伝わったでしょうか。ポタジェガーデンは難しくありません。とっても簡単に始められます。
見た目に美しく、育てる楽しみ、収穫の喜び、魅力いっぱいのポタジェガーデンを始めてみましょう。