枝豆(エダマメ)の育て方・栽培|植物図鑑

植物名
枝豆(エダマメ)
学名

Glycine max

英名
Green soybean
和名
枝豆
科名
マメ科
属名
ダイズ属
原産地
中国

枝豆(エダマメ)の特徴

エダマメは大豆を未成熟の時期に収穫したものをさします。主茎と分枝に分かれ、それぞにエダマメの実がなります。エダマメの花は白や紫色で、房から34つほどの花が咲きます。分類としてはエダマメは野菜類とされ、大豆になると穀類(穀物)になります。エダマメのさやにはうぶ毛が生えており、23粒ほどの実が入っています。

大豆は一般的には、中国原産とはいわれていますが、日本に自生する野生のツルマメとよく似ており、そのツルマメから栽培されたとも考えられ、中国・日本それぞれの地域で栽培化されたという説もあります。

エダマメは古くは奈良、平安時代から食べられていました。江戸時代には枝がついたまま茹でて売られ、食べ歩くという光景が見られたことからエダマメという名がついたとされています。

外国人観光客が、日本料理で好きなものといえば「お寿司、ラーメン、刺身、天ぷら…」は、もはや常識といってもおかしくないような日本のおもてなしメニューですが、数年前に海外のインターネット検索で日本食についての検索ランキング上位に、エダマメが浮上しました。美味しさだけでなく、健康食としてエダマメが海外セレブ達に注目されたのがきっかけといわれています。

しかも、英語の「Soybeans」ではなく、「EDAMAME」という名で浸透しています。エダマメは、今や国際語といっても過言ではない存在になっています。

枝豆(エダマメ)の詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 50~80cm
耐寒性 やや弱い
耐暑性 やや弱い
耐陰性 やや弱い
花色 紫、白
開花時期 6月~8月

枝豆(エダマメ)のゆで方

1. エダマメにあらかじめ塩味を付けるために、さやの両端をハサミなどでカットします。

2. そこに塩をふりなじませます。

3. 沸騰したお湯でかためにゆで、ざるにあげます。

枝豆(エダマメ)の保存方法

収穫後の生の状態のエダマメをそのまま密封袋に入れて冷凍保存し、使用する際に加熱調理します。

または、エダマメを軽くゆでて密封袋に入れて冷凍保存し、自然解凍後にそのまま食べる方法もあります。

枝豆(エダマメ)の栄養

エダマメは栄養価が非常に高い野菜で、甘みがあり、食べやすいため子供からお年寄りまで幅広く食されています。ビールのおつまみとして重宝され、夏バテ防止にも役立っています。

タンパク質、ビタミンが豊富で、アミノ酸と糖分のバランスも良く、大豆には無いビタミンCも多く含まれます。

枝豆(エダマメ)のレシピ

エダマメの調理法は、塩ゆでしてそのまま食べることが多いです。冷凍食品として販売されているエダマメは自然解凍や流水で洗うだけで美味しく食べられます。

豆ごはんや和え物、炒め物、煮物、スープなどの彩りとしても重宝します。その他、天ぷらや揚げ物など調理の幅が広い野菜です。東北地方ではすりつぶしたものを甘くして餅にからめた「ずんだ餅」が有名です。

枝豆(エダマメ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
収穫

枝豆(エダマメ)の栽培環境

日当たり・置き場所

エダマメは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。

温度

エダマメの生育適温は2025℃です。寒さに弱く、温暖な環境を好みます。

用土

プランター栽培のエダマメは、野菜用の培養土で育てましょう。

畑栽培のエダマメは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その1週間後に堆肥と元肥を入れ土になじませます。

窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。そのため、石灰と肥料を合わせて使用する際は最低でも1~2週間ほど日数をあけて投入しましょう。

なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても堆肥と石灰を使用するために必要な日数がない場合は「有機石灰」の使用をおすすめします。

枝豆(エダマメ)の育て方のポイント

水やり

畑で栽培しているエダマメは、それほど水やりせずに天候に任せてもある程度よく育ちます。

プランターで育てている場合は、エダマメは乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら水を十分与えましょう。特にエダマメの莢が膨らむ頃は水分が重要になります。

肥料

マメ科の植物は、根粒菌を持っていて自身で栄養を得ることができます。そのため他の作物と違い、あまり肥料を必要としません。肥料は少なめでも育ちますが、花が咲いた後から実が充実してくるころ、葉が黄色くなっていないか、草勢は衰えていないかをよく観察して追肥を施しましょう。

根粒菌とは

根の部分にある丸い粒の中に、空気中の窒素を固定する根粒菌という微生物が存在していて、植物の葉や茎の生長に欠かせない窒素を供給しています。

根の部分にある丸い粒の中に、空気中の窒素を固定する根粒菌という微生物が存在していて、植物の葉や茎の生長に欠かせない窒素を供給しています。

病害虫

カメムシの幼虫・成虫ともに、莢の中にある豆の汁を吸います。カメムシがいると豆が大きくなれず腐敗してしまいます。見つけ次第すぐに駆除しましょう。

ガの幼虫のヨトウムシは、小さいうちは葉の裏のみを食害し、葉を半透明にします。大きくなると莢まで食害するので注意が必要です。
他に、マメシンクイガの幼虫もエダマメを食害します。こちらも見つけ次第駆除しましょう。

梅雨時期はべと病、斑点細菌病、モザイク病にかかりやすくなります。
日頃から日照不足、加湿、密植に注意し、病葉は適宜取り除きましょう。

ダイズシストセンチュウ

根や根粒菌までもが茶色くゴツゴツしている時は、大豆に発生しやすい「ダイズシストセンチュウ」がついているかもしれません。

ダイズシストセンチュウとは、土の中に生息する1mm以下のセンチュウで、大豆の根の養分を吸います。その被害部分が茶色く、いびつな形になります。センチュウに侵された根は、充分な水分や養分を吸収することができず最後には枯れてしまいます。

しかし、センチュウの大きさが1mm以下のため、肉眼で早期に発見することは難しいため、このように作物を抜き取るタイミングに、しっかりとセンチュウの存在を確認する必要があります。

ダイズシストセンチュウの対処方法

①被害を受けた根の除去。

②太陽熱で消毒。

③別の作物を植える。

一度ダイズシストセンチュウが発生すると根絶は難しいので、違う作物を植えるのも有効な手段でしょう。

枝豆(エダマメ)の詳しい育て方

選び方

徒長していない、葉の緑が濃い色の苗を選びます。

エダマメは種から育てることもできます。

種まき

エダマメの種は、大豆です。大豆に水をかけ発芽させるので、鳥にとっては最高のごちそうです。そのままにしておくと全て食べられてしまいます。種をまいたら必ず寒冷紗や不燃布のシートをかけて、発芽までエダマメを鳥から守りましょう。  育苗ポットにエダマメの種をまいて苗を作るか、畑にじかまきで1か所に3~4粒ほどまきます。  前日から土に水をたっぷり含ませた状態にしておきます。エダマメの種の2倍ほどの深さ2cm位に種をまき、土を被せます。発芽するまで、あまり水をかけすぎないように管理します。

エダマメの種は、大豆です。大豆に水をかけ発芽させるので、鳥にとっては最高のごちそうです。そのままにしておくと全て食べられてしまいます。種をまいたら必ず寒冷紗や不燃布のシートをかけて、発芽までエダマメを鳥から守りましょう。

育苗ポットにエダマメの種をまいて苗を作るか、畑にじかまきで1か所に3~4粒ほどまきます。

前日から土に水をたっぷり含ませた状態にしておきます。エダマメの種の2倍ほどの深さ2cm位に種をまき、土を被せます。発芽するまで、あまり水をかけすぎないように管理します。

植え付け

エダマメなどの豆類は、発芽して本葉が出てしまえば、鳥の被害はなくなります。

種まき後8日目

エダマメなどの豆類は、発芽して本葉が出てしまえば、鳥の被害はなくなります。

 

種まき後15日目  ここまでエダマメの苗が生長したら植え付けます。

種まき後15日目

ここまでエダマメの苗が生長したら植え付けます。

土に育苗ポットと同じサイズの穴を掘って苗をポットの土ごと穴に植えます。上から土を軽くかけたっぷりと水をやりましょう。エダマメの根はとても傷つきやすいのでやさしく扱います。

間引き

ネキリムシがエダマメの苗を狙いにきます。害虫によりエダマメが全滅してしまわないように、間引きの際は少なくとも1か所に2本ほど残して育てましょう。

仕立て方

支柱

強風や豪雨でエダマメの苗が倒れてしまうことがあります。エダマメの四隅に支柱を立て、麻ひもで支柱の周りを囲むようにして結びましょう。

摘芯(摘心)・摘果

収量を増やすためや、倒伏を防ぐために本葉が4~5枚の頃、摘芯することがあります。(品種にもよります。)

紫や白の小さい花を次々と咲かせます。花が咲いた後にエダマメができます。

紫や白の小さい花を次々と咲かせます。花が咲いた後にエダマメができます。

収穫

エダマメの収穫時期の見極めは意外と難しく、豆が硬くなってしまう前に収穫しましょう。目安として、莢を指で押して中から豆が出てきたころが収穫適期です。

エダマメの収穫時期の見極めは意外と難しく、豆が硬くなってしまう前に収穫しましょう。目安として、莢を指で押して中から豆が出てきたころが収穫適期です。

根ごと一気に引き抜く方法もありますが、順次充実した莢をひとつひとつハサミで収穫すると長期間収穫を楽しむことができます。

枝豆(エダマメ)の抜き取り

抜き取ったエダマメの苗の根をよく見てみると、太い根と細い根があります。どちらの根も白っぽくきれいな根であれば、ダイズシストセンチュウの心配はありません。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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