クリーピングタイムの育て方・栽培|植物図鑑

植物名
クリーピングタイム
学名

Thymus

英名
Thyme
科名
シソ科
属名
イブキジャコウソウ属
原産地
ヨーロッパ・北アフリカ・アジア

クリーピングタイムの特徴

タイムは、シソ科のハーブです。種類が多く、立ち上がり上に伸びる立性のもの(コモンタイム)と這うように生育する匍匐性のもの(クリーピングタイム)に分かれます。

一般的にタイムといわれているのはコモンタイムのこと。品種によって異なりますが、春~初夏に小さな花を咲かせます。料理の他にも、花はサシェにも使うことができます。

コモンタイム」は、肉などの臭み消し、防虫効果、「ブーケガルニ」としてシチューやポトフなどの煮込み料理の風味付けに使われているタイムで、最も一般的なタイムです。野菜売り場のハーブのコーナーで売られているタイムもコモンタイムです。最近はコモンタイムから選抜されてできた品種がたくさんあります。

ブーケガルニとは、簡単に言ってしまえば、数種類のハーブや香りのする野菜をタコ糸などの糸で束ねた香りの束のことを言います。ヨーロッパでは、昔から肉や野菜を入れてコトコトと煮込むような料理にブーケガルニを入れて風味付けをしています。ブーケガルニに使う素材に決まりはありませんが、定番はタイム、パセリ、ローリエの組み合わせ。その他にも料理の種類にあわせて束ねる素材を選びます。日本の食品メーカーからも「ブーケガルニ」という名前で販売されています。

料理やお茶など、食材として利用するためにタイムが必要な場合は、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。

タイムは品種によって生長の仕方も違います。園芸用として植栽するなら、植える環境にあわせて、下記の性質から、どちらが植える環境にあうかを決めてから品種を選ぶとようにします。

立性・・・立ち上がるように生長します。地植えにすると30cm以上の高さになります。コモンタイムは立性です。

ほふく性・・・這うようにして生長します。代表的な品種はクリーピングタイムです。這うように生長するので、丈は10cmくらいにしかなりません。クリーピングタイムは、花壇の縁取りやグランドカバーにもなります。

クリーピングタイムの詳細情報

園芸分類 ハーブ
草丈・樹高 10~15cm
耐寒性 やや強い
耐暑性 やや強い
花色 ピンク,白
開花時期 4月~6月

グランドカバー用に作られた品種「レイタータイム」

毎年、新品種が出てくるタイムですが、最近グランドカバー用に改良されたほふく性の「レイタータイム」という品種があります。

レイタータイムは生長が速くて、踏みしめにも強いのが特徴です。踏みつけに強いので、通路沿いや石、レンガや枕木の隙間に植えるのにもよいと思います。ほふく性で丈も5cm程度、立ち上がりもないタイムなので芝生ような使い方ができます。お花はピンク色です。生長が速いタイプなので、あまり増やしたくない方にはおすすめできませんが、通路沿いなどで雑草防止に広く増えてほしい方にはおすすめのタイムです。

クリーピングタイムの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
開花

クリーピングタイムの栽培環境

日当たり・置き場所

クリーピングタイムは、日当りと風通しのよい場所で育てましょう。

温度

クリーピングタイムは寒さには強いほうなので、関東以南の地域では防寒対策はほとんど必要ありません。暖かい地方の寒さなら、特に防寒せず越冬できます。降雪する地域では地上部が枯れますが、根は生きていて春になるとまた芽を出します。寒い地方は、霜や寒風対策として、軒下や室内など風を防げる場所に置くほうがよいでしょう。

用土

ハーブ用の培養土があれば、それを利用しましょう。多湿を嫌うので水はけのよい土がよいです。また、酸性の土壌が苦手なので、地植えの場合は苦土石灰をまくなどして土壌の調整をしたほうがよいでしょう。

クリーピングタイムの育て方のポイント

水やり

土が乾いたらたっぷりと水やりします。湿気が苦手気味なのでやや乾燥気味に育てます。冬場は水の回数を減らします。土の表面が乾き2〜3日置いてから与えるくらいが良いです。

肥料

植え付けをするタイミングで、土にゆっくりと効く粒状の肥料を入れましょう。追肥は必要であれば4月~6月、9月~11月に液体肥料や土の上に置くタイプの固形肥料を与えましょう。肥料が多すぎると香りが薄れることもあるので注意しましょう。

病害虫

クリーピングタイムは、害虫はほとんど心配はありませんが、蒸れで株が弱る場合があります。

クリーピングタイムの詳しい育て方

選び方

クリーピングタイムは、主に苗での購入になります。蒸れて下葉が痛んでいるものは避けましょう。適度に日の当たる売り場で管理されているものを購入しましょう。
タイムは、品種が数百品種あります。食用か観賞用か、立性かほふく性か、用途に合わせた品種を選びましょう。

種まき

細かい種なので、土はあまりかぶせず、押さえるようにして種をまきます。

植え付け

植え付けをする場合は植え替えの時と同様ですが、根を傷めてしまわないように注意しましょう。

剪定・切り戻し

花の後に、株元でバッサリと切り戻します。また、株元が蒸れて株の様子が汚くなったら思いきって切り戻します。その他、冬前に地際で切り戻し剪定をします。

植え替え・鉢替え

クリーピングタイムは生育旺盛なので根詰まりしないように植え替えを行いましょう。植え替え時に株分けを同時に行ってもよいでしょう。一回り大きな鉢に植え変えるか、大きさを維持したい場合は、株分けを行います。鉢底に固まった土などを取り除き、根鉢を崩します。枯れた茎や葉っぱも取り除きましょう。根っこを傷つけないように優しく行いましょう。植えつけ後には鉢底から水がでるくらいたっぷりと水やりをしてください。

品種によって異なりますが、春~初夏頃に小さな白やピンク色の花を咲かせます。

収穫

葉がある間は常に収穫ができます。花が咲くと葉の香りが弱くなるので、咲く前の収穫がオススメです。

夏越し

特別な対処は必要ありませんが、やや高温多湿に弱いので風通しの良い場所で管理しましょう。

冬越し

クリーピングタイムは寒さには強いほうなので、関東以南の地域では防寒対策はほとんど必要ありません。暖かい地方の寒さなら、特に防寒せず越冬できます。降雪する地域では地上部が枯れますが、根は生きていて春になるとまた芽を出します。寒い地方は、霜や寒風対策として、軒下や室内など風を防げる場所に置くほうがよいでしょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

株分け・挿し木で増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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