南天(なんてん)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- 南天(なんてん)
- 学名
Nandina domestica
- 英名
- Heavenly bamboo
- 和名
- 南天(なんてん)
- 科名
- メギ科
- 属名
- ナンテン属
- 原産地
- アジア
南天(なんてん)の特徴
南天(なんてん)は濃い緑の葉に赤い実をつける常緑低木です。冬でも濃い緑が茂っている様子や、赤い実をつける特徴から縁起物として好まれ古くから、魔除け、厄除け、無病息災を願い多くの家庭で栽培されて来ました。南天(なんてん)は江戸時代から人気の古典園芸植物の一つです。和名の「南天」は難を転じる「難転」や「成天」の意味も持つ用になり、不浄をはらうために玄関やお手洗い、鬼門と呼ばれる方角に方位よけとして植えられるようになりました。南天(なんてん)は、日本では関東以西で自生している植物で栽培も容易です。
南天(なんてん)は苗木が多く流通しており、種、挿し木でも増やすことができます。観賞するだけでなく、民間薬としても利用でき、南天の実を焼酎、氷砂糖とともに漬け込んだ南天酒は咳止めの効用があるそうです。また、熱い食べ物の上に葉をのせて蓋をすると微量の腐敗を防ぐ成分が出るため、お赤飯の上に乗せられる南天(なんてん)の葉は縁起物の意味だけではなく防腐として役立っているようです。
南天(なんてん)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、常緑 |
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草丈・樹高 | 50cm~2m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
花色 | 白 |
開花時期 | 5~6月 |
南天(なんてん)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
南天(なんてん)の栽培環境
日当たり・置き場所
南天(なんてん)は強い西日など直射日光が当たる場所は嫌います。午前中に日があたる、半日陰くらいの日ざしが適しています。
用土
南天(なんてん)の土は水はけがよく通気性が良い土を好みます。赤玉土、黒土、腐葉土に堆肥や牛糞を多めに混ぜ込み土を作りましょう。
南天(なんてん)の育て方のポイント
水やり
南天(なんてん)の水やりは、鉢植えの場合は特に真夏の水切れには注意し10日に1度程、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。庭植えの場合は乾燥しすぎない限り特に水やりの必要はありません。
肥料
南天(なんてん)の肥料は冬に化成肥料と油粕や鶏ふんなど有機肥料を混ぜ合わせたものを根から少し離した場所に与えます。鉢植えの場合は植え替えのタイミングで、土にリンやカリを多く含む肥料を混ぜて与えます。
病害虫
南天(なんてん)はカイガラムシがつく事があります。カイガラムシがつくと株が弱り生育も悪くなり衰え枯れてしまいます。カイガラムシは国内では約400種が発見されており、大きさや形なども様々であり、カイガラがあるのとないものもいます。また、すす病にかかる事もあり、すす病は空気中のすす病菌がアブラムシやカイガラムシの排せつ物を栄養にして、すす状の黒いカビが葉を覆います。ひどくなると葉の光合成を邪魔してしまうため、観賞価値を下げるとともに生育不良にもつながります。日当たりや通気性が悪い場合、湿度が高くなると発生しやすくなります。
南天(なんてん)の詳しい育て方
選び方
南天(なんてん)は、なるべく枝ぶりや葉にボリュームのある苗木を選びます。あまり枝が込み合っているようなら、植え付け後に風通しが良くなるように剪定します。
種まき
南天(なんてん)の種は乾燥を嫌います。果実が熟してきたら果肉を取り除き貯蔵し、翌春にまきます。
植え付け
南天(なんてん)の植え替えは春か秋に行います。庭植えの場合は南天(なんてん)を植える場所によく堆肥、牛糞を混ぜ込んでおきます。鉢植えは根詰まりを起こしやすいので、2年に1度程植え替えます。
剪定・切り戻し
南天(なんてん)の剪定は3月~4月の中旬に枯れた茎や弱った茎を根元から切り、実を付けた枝は数年、花をつけないので新芽の伸びる前に剪定します。枝がこみあってしまいやすいので、根元から刈り取ってしまいます。
植え替え・鉢替え
南天(なんてん)の植え替えや鉢替えは2~3年に一度、時期は3~4月頃に植え替えます。鉢は一回り大きめの鉢を準備し、水はけの良い赤玉土を鉢底へ鉢の高さの1/10位入れ、その上に園芸用の培養土を入れて植え替えます。
収穫
南天(なんてん)の実は11月から実り始め2月まで楽しむ事ができます。
切り花として、収穫し飾って楽しむ事も出来ます。種は秋が終わる頃に熟した果実を収穫しましょう。
夏越し
南天(なんてん)は真夏の直射日光を嫌う為、鉢植えの場合は半日陰の場所へ移動しましよう。
冬越し
冬越しの為の特別な準備は必要ありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
南天(なんてん)は挿し木で増やす事が出来ます。清潔な用土を準備して、3月中旬から下旬の間か9月の下旬に挿し木をして増やします。