ホトトギスの育て方|植物図鑑
- 植物名
- ホトトギス
- 学名
Tricyrtis
- 英名
- Toad lily
- 和名
- 杜鵑草
- 科名
- ユリ科
- 属名
- ホトトギス属
- 原産地
- 日本、東アジア
ホトトギスの特徴
ホトトギスの大きな特徴としてまず挙げるのは、花弁に浮かぶ紫色のまだら模様です。この模様が鳥の杜鵑(ほととぎす)の胸の模様と似ていることから、この名が付けられました。また一部の品種では、若葉に油を垂らしたような模様が現れることから「油点草」という別名を持っています。
加えてホトトギスは、めしべが非常に目立っている花だと言えます。その理由はめしべが長く伸びており、花柱がヘリコプターのプロペラのように広がった形状をしているためです。主な花弁の色は、白地に紫色のまだら模様と黄色であり、珍しい色として白色があります。
現在ホトトギスとして流通しているものの多くはホトトギスとタイワンホトトギスの交雑種だと言われています。
ホトトギスの詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | ~70cm程度 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 紫、白、黄 |
開花時期 | 7月~10月頃 |
ホトトギスの種類・品種
日本全土に分布している品種として、紫色のまだら模様が浮かぶ品種は「ヤマホトトギス」と「ヤマジノホトトギス」になります。黄色の品種は「タマガワホトトギス」、白色の品種は「シロバナヤマジノホトトギス」と「シロホトトギス」があります。
ホトトギスの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
肥料 |
ホトトギスの栽培環境
日当たり・置き場所
ホトトギスは屋外の明るい日陰を好みます。遮光ネットや寒冷紗を使って明るい日陰を作るとよいでしょう。
用土
ホトトギスは水はけと通気性のよい土を使用します。近頃では山野草用の培養土が販売されていますが、自身で用土を作る際には、軽石砂、赤玉土、腐葉土を混ぜます。鉢植えの場合は、底に水洗いしたパーライトを入れておくと、さらによくなります。
ホトトギスの育て方のポイント
水やり
ホトトギスは土の表面が乾燥したら水やりをしてください。水切れと乾燥を嫌う傾向があるため、乾燥している日は打ち水などをして空中湿度を高めるとよいでしょう。
肥料
ホトトギスは5月から10月までの生育期には、おおよそ1週間に1度の頻度で液肥を追肥してください。そして花が咲いた後に再び固形肥料を鉢の縁に置き肥してください。
病害虫
ホトトギスに発生しやすい害虫としてはナメクジやカタツムリ、毛虫が付きやすいため、鉢裏などを確認し、見つけたら駆除しましょう。また水切れによる葉枯れが生じやすいため、夏場は注意しましょう。
ナメクジ:ナメクジは植物の葉やつぼみ、花びら、野菜の新芽などを食べます。大量に発生すると茎だけ残して葉を全て食べられてしまったり、葉が一部食べられて穴が開いても生長不良に繋がります。土の中にいることが多いため、植え替え時に点検したり、雨上がりにチェックすると比較的見つけやすいです。
葉枯れ病:カビが原因の病気で、葉に円形や楕円形の赤褐色の小斑点ができ、斑点の中心部はやや淡い褐色となってくぼんでしまいます。ひどくなると名前の通り葉がどんどん枯れ落ちて茎だけになり、蕾がつかなかったり株自体が枯れてしまうことがあります。
カビが花や蕾につくことがあり、蕾につくと開花しないか開花しても花弁に斑点ができたり、花がきれいに咲かなくなってしまいます。梅雨時期や秋の長雨など、多湿な時期に発生しやすいです。予防としては密植をさけて、風通しを良くすることが第一です。また、雨水からの感染もあるため雨水の跳ね返りを防ぐなどの工夫も必要です。
ホトトギスの詳しい育て方
選び方
ホトトギスは花がたくさん咲いているものより、花の数が少なくても株がしっかりできていて、葉につやのあるものを選びます。
種まき
ホトトギスの種は小粒なため、地面か大きめのプランターに適量蒔くか、ビニールポットで小分けにして蒔くことをお勧めします。種を蒔いた後は覆土をする必要はありません。
植え付け
鉢植えの場合は深く大きめの鉢での栽培がよいです。株を植え付ける際はあまり深く埋めず、株と表土の間が1cmくらいになるように埋めます。植え付け後、油かすなどの固形肥料を鉢の縁に置き肥します。
剪定・切り戻し
ホトトギスは基本的に剪定は必要ありませんが、5月下旬から6月くらいに背丈を詰める摘心として茎を切り取っても問題ありません。
花
タイワンホトトギス系と思われるものです。雄しべや雌しべにも斑点模様が入っています。
開きかけのホトトギスの花も可愛らしいです。
夏越し
ホトトギスは水切れに弱いため、鉢植えで育てている場合は受け皿などを使うとよいでしょう。
冬越し
ホトトギスは寒さに強く、地上部が枯れても春に芽を出して生長します。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ホトトギスの増やし方は2通りあります。1つ目は株分けです。冬を越した苗を引き抜きと古い根の周りに新しい株が付いているので、それを分けて植えつけます。2つ目は、摘心として切り取った茎を鹿沼土などに挿しておくと、新しい根が生えてきて苗となる「さし芽」という方法です。