ラズベリーの育て方・栽培|植物図鑑

植物名
ラズベリー
学名

Rubus idaeus

英名
Raspberry
科名
バラ科
属名
キイチゴ属
原産地
ヨーロッパ・北アメリカ

ラズベリーの特徴

ラズベリーの日本名はヨーロッパキイチゴ、西洋キイチゴといいますが、フランス語のフランボワーズともよばれています。白い可憐な花を咲かせたあとに赤色・黄色・紫色などの可愛い宝石のような実をつける樹高1~1.5mの小低木です。その色鮮やかな果実は甘酸っぱく香りが高いので生食の他にも、ケーキやタルトなどの洋菓子に使用されます。

ラズベリーは自家結実性なので1本だけでも実がなります。ラズベリーの中には、1年に1度実がなる一季なり性と1年に2回実がなる二季なり性のタイプがあります。一般的にはトゲがあるので少し注意が必要ですが、種類のよってはトゲのない品種もあります。地下茎で増え繁殖力が強いのも特徴です。花芽は「混合花芽」という1つの芽の中に葉枝と花芽の両方を持っており、7月頃に分化します。寒冷地に適しているので、暖地は栽培に向いていません。

ラズベリーの詳細情報

園芸分類 果樹
耐寒性 強い
耐暑性 普通
花色
開花時期 5月頃

ラズベリーの種類・品種

一季なり性と秋にも実をつける二季なり性があり、刺のなしの品種もあります。果実の色によって、赤ラズベリー、黒ラズベリー、紫ラズベリーの3群に別れています。黄色のものは赤ラズベリーの中の黄色種として分離しています。代表的な品種は二季なり性では、サマーフェスティバル・スキーナトップ・インディアンサマー、一季なり性ではファールゴールドがあげられます。

 

ブラックベリーと相性が悪い?

ラズベリーとブラックベリーは相性が悪くてで近くに植えるとお互いに実がならないので気をつけてください。どちらかが枯れる事もありますので、植えるなら10m以上離すことが必要です。両者とも根の力が強く、地下で勢力争いになり弱い方が枯れてしまうようです。両方栽培する場合はどちらかを鉢植えにすれば解消されます。苗を増やす株分けは、その地下茎で増える繁殖力の強さを利用するので容易に行えます。

 

天の川はラズベリーの香り?

宇宙空間におけるチリやアミノ酸の痕跡を探していたドイツの天文学者が、天の川銀河の中心部にほど近い「射手座B2」の分子雲内にギ酸エチルとよばれる分子が存在していることを発見しました。これを発見した天文学者のArnaud Belloche氏はイギリス・ハートフォードシャー大学での学会において「このギ酸エチルこそがラズベリー風味を引き出しラム酒の香りがする」と発言したそうです。

ラズベリーの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
肥料

ラズベリーの栽培環境

用土

鉢植えは赤玉土小粒と腐葉土を混ぜた水はけのよい配合土を用います。地植えの場合は掘り上げた土に腐葉土と堆肥を混ぜ込みます。

ラズベリーの育て方のポイント

水やり

鉢植えは、土の表面が白く乾いたら、鉢底から流れ出すくらいにたっぷりと与えます。直植えの場合は水やりの必要はありません。あまりにも日照りが続いた場合のみ、様子をみて与えてください。

肥料

2月・6月・9月に有機質肥料か即効性化成肥料を与えます。鉢植えの場合は6月と9月の施肥は化成肥料がおすすめです。地植えの場合は、2月の有機質肥料以外どちらでもかまいませんが、株元ではなく、枝の広がりよりも外側に施肥してください。

病害虫

無農薬で栽培できるくらいに病害虫の被害は少ないですが、湿度が高く風通しがない状態になると、灰色かび病が発生します。害虫としては新梢や花穂を食害するモモチョッキリ、茎葉に付着して吸汁するカイガラムシ、地域によっては葉を食害するマメコガネ、葉裏に付着して吸汁するハダニ類がいます。

ラズベリーの詳しい育て方

選び方

枝が太く多いもので、根が良く伸びているもの、病害虫におかされていないもの、芽と芽の間が詰まっているものを選んでください。

種まき

一般的に株分けで増やすので、種から栽培することはほとんどありません。種まきをする場合は鉢植え、地植えともに、種が発芽するのは気温が20℃くらいのときです。4月と11月が適期となりますが、直に種まきするのは向いておりませんので、植え付けの時期までに苗を15cm以上に育ててから植えるようにしてください。

植え付け

日当りと風通しを好みますが夏の強い日差しや高温に弱いので、夏に西日が当たらない場所を選んで植え付けてください。鉢植えの場合は真夏だけ日陰に移動させることをおおすすめします。
植え付け時期は落葉後の晩秋から春の発芽前に行います。地域にもよりますが9月から3月です。真冬の12月半ばから2月半ばは避けたほうがよいでしょう。もしも鉢に根が回って根詰まりを起こしている場合は、真夏と真冬以外いつ植えても大丈夫です。地植えの場合、夏場に西日が当たらない場所を選び、株間は1〜2mとってください。元肥は有機質肥料がおすすめです。鉢植えの場合は用土に有機質肥料か即効性化成肥料を元肥として施します。

剪定・切り戻し

冬季剪定と夏期剪定がありますが、一季なり性は冬・夏の年2回、二季なり性は冬季のみです。冬季剪定は、12月から2月に前年枝(2年枝)を根元から70〜80cmのところで切ります。夏季剪定は、7月頃の収穫が終わったら早めに基部から切除します。
剪定については、一季なり性のラズベリーは1年目に伸びたサッカーやシュートに翌年実をつけるので、1年目は切らないように注意しましょう。2年目に実をつけたあとは枯れてしまうので、収穫が終わったらすぐに枯れる前に剪定するのがポイントです。
二季なり性のラズベリーは1年目に伸びたサッカーやシュートには同年に実をつけますが、枯れずに翌年実をつけますので剪定しないようにするのがポイントです。

収穫

果実をつまんで引っ張ったときに、花托から果実が簡単に離れるようになったら収穫時です。収穫した果実は中が空洞でやわらかいのでつぶれないように気をつけてください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

苗の増やし方は株分けが一般的です。4〜5月くらいに出てくるサッカー(地下茎から出てくる枝)を付け根から切り取り新しい鉢に植え付けます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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