何度も作りたい!白菜を使った簡単キムチの作り方
戸松敦子
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白菜を使った簡単キムチの作り方を紹介します。作り方は、材料の下準備をして混ぜ合わせるだけ。できたてから浅漬け感覚で食べられ、1週間後には全体がなじんで深みのある味が楽しめます。オールシーズン作って何度でも食べたくなるやみつきの味。このレシピは野菜ソムリエ仲間の太田真弓さんに教わってから何度もリピートして作っている我が家のお気に入りです。腸内環境を整えたり、スタミナの素や代謝アップが期待できる栄養素もたっぷり含まれた美味しいキムチ。ぜひ作ってみてください。
目次
白菜について
白菜はアブラナ科の代表的な結球野菜です。鍋物はもちろん、炒め物、蒸し物、漬物の材料としておなじみのものになっています。
カットした白菜は、断面が平らな方が新鮮と言えます。写真の白菜は断面の真ん中が少し盛り上がってきた状態です。
白菜はカットしたては断面が平らで、日にちがたつと段々盛り上がってくる性質があります。白菜は切った後も生長を続けていて、真ん中の葉を生長させるために外側の葉のエネルギーや水分が使われて新鮮さが失われていきます。カットした白菜を選ぶときは、どちらかというと断面が平らなものがおすすめです。
白菜は 約95%が水分で低カロリー。利尿作用があり高血圧症予防に効果があると言われるカリウムや、ビタミンCを含みます。漬物に使うとビタミンCの損失が少なく効率的だそうです。
白菜は涼しい気候を好むため、育てるなら秋作がおすすめです。寒さにあたることで甘みが増します。
最近では、ミニ白菜や中の葉がオレンジ色の白菜も人気があります。
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キムチについて
キムチは、もともとは朝鮮半島の厳しい寒さに備えた保存食です。はじまりは野菜を塩漬けしたもので、後にニンニクやサンショウなどを加えるようになり、キムチの原型ができたと言われています。その後、栽培や加工が簡単な唐辛子がサンショウに代わって用いられるようになりました。
キムチは唐辛子の辛さと野菜の甘味、乳酸発酵の酸味、うま味と塩辛さが絶妙に混じり合った美味しさがあります。多くの場合、魚醤やアミの塩辛、ニンニクなどを使用するため強い匂いがします。キムチが好きな人にはたまらなく良い匂いであり、食欲増進間違いなし。キムチ単体でももちろん美味しいですが、キムチを卵かけごはんに添えたり、キムチを納豆と混ぜるだけでご飯が何杯でも食べられそうです。
発酵食品のキムチには、腸の調子を整える乳酸菌がたっぷり入っていると言われています。腸内環境を整えることは、美の基本。韓国の方に肌がきれいな人が多いのも、キムチのパワーなのかなと思ってしまうところです。
キムチに使う韓国唐辛子
キムチに使う唐辛子は、韓国唐辛子がおすすめです。韓国唐辛子は辛味の中にも甘みがあり、多めに使ってもそれほど辛くありません。美味しそうな赤い色と唐辛子の風味をつけることができます。粗びき、中引き、細びきの唐辛子がミックスされたキムチ用のミックス唐辛子も販売されているのでとても便利に使うことができます。
ちなみに、私は韓国唐辛子ではない、辛みが強い普通の粉唐辛子を使って同じレシピでキムチを作った際、汗が出るほど辛みの強いキムチが出来た経験があります。野菜の旨味より前に、辛みだけが感じられます。数日すると少しマイルドにはなりますが、やはり辛いのであまりおすすめしません。
キムチに使う野菜の栄養は?
今回紹介する簡単キムチには、白菜以外にも数種類の野菜と果物を使っています。それらの野菜の栄養についても注目してみましょう!
トウガラシ
ナス科トウガラシ属。トウガラシは、カロテンやビタミンCが多く、辛み成分のカプサイシンには食欲増進、発汗作用や皮下脂肪の代謝を促す働きがあると言われています。
▼トウガラシの詳しい育て方はこちら
唐辛子(トウガラシ)
- 唐辛子(トウガラシ)は、ナス科トウガラシ属の中南米原産の一年草です。唐辛子(トウガラシ)はとても辛く、野菜というよりも主に香辛料として利用されています。 唐辛子(トウガラシ)の実は代表的な赤や緑色以外にも、黄色や紫の品種もあります。食用以外に、園芸として観賞用の唐辛子(トウガラシ)の品種もあります。 比較的病害虫にも強く、プランターでも育てることができるので、ベランダや庭で育てやすい野菜の1つです。唐辛子(トウガラシ)の幼苗は、ピーマン、パプリカと葉の形、枝の付き方、花なども見分けがつかないほどよく似ています。濃い緑色の卵形の葉がつき、いくつも枝分かれしたところに、上向きに5cmくらいの赤い実がなります。
ニンニク
ユリ科ネギ属。ニンニクは糖質が30%と比較的エネルギーが高い野菜です。ビタミンB1、カリウムが多く、香りの成分であるアリシンは疲労回復や風邪予防、冷え性改善にも良いと言われています。
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ショウガ
ショウガ科ショウガ属。ショウガは血行を促進して新陳代謝を高め、冷えから来る諸症状を緩和する働きがあると言われています。
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生姜(ショウガ)
- 生姜(ショウガ)は古くから世界中の暖かい地域で、香辛料や薬用として栽培されてきました。原産地はマレー、インドを中心とする熱帯アジアといわれています。 日本でも、奈良時代には栽培されていたとされる歴史のある植物です。栽培が盛んになるのは江戸時代からで、それ以降生姜(ショウガ)は、魚肉料理の臭み消しや、薬味、ジンジャーエールなどの飲み物にも用いられ、私たちの暮らしに欠かせないものとなっています。生姜(ショウガ)は古代中国で、薬として使用されてきました。漢方では主に根生姜(ネショウガ)の部分が使われています。生の生姜(ショウガ)は、吐き気止めや咳を鎮める作用、胃を丈夫にする作用があるとされており、風邪のひきはじめに飲むと効果があります。乾燥させた生姜(ショウガ)は、胃腸などの内臓を温める作用があり、体を強く元気にしてくれる強壮作用があります。
ネギ
ユリ科ネギ属。ネギはビタミンCが多く、疲労回復、睡眠改善、体を温める効果などがあると言われています。
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ネギ(葱)
- ネギ属は数多く種類が存在し、ネギ(葱)以外にも玉ねぎ・ニラ・ニンニク・分葱(ワケギ)・浅葱(アサツキ)・ラッキョウなどたくさんの種類があります。 ネギ(葱)を形態的、生態的特性からみて大きく分けると加賀群、千住群、九条群の3つに大別することができます。 加賀「夏ネギ型」 冬になると地上部が枯れて休眠する品種です。耐寒性が強く東北、北陸など寒い地域で多く栽培されている品種です。白い部分が多い下仁田ネギのような特徴のネギ(葱)です。 千住「冬ネギ型」 冬期に休眠せずにゆっくり生長を続ける品種です。耐寒性があまり強くないため、主に関東地方を中心に栽培されています。 スーパーで売っているネギ(白ネギ)のほとんどは、この千住群の品種です。 九条ネギ「冬ネギ型」 九条ネギは千住ネギと同じように冬ネギ型ですが、土寄せをする白ネギとは違い、主に緑色の葉の部分が多い葉ネギの品種です。
ニラ
ユリ科ネギ属。ニラの香りのもとは硫化アリル。ビタミンB1の吸収を助けたり、内臓の働きを活性化させると言われています。カロテン、ビタミンC、Eも多く含みます。
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ダイコン
アブラナ科ダイコン属。ダイコンはビタミンCが多い他、消化を助けたり風邪予防に効果があると言われているアミラーゼを含みます。繊維に沿って切るとパリパリした歯ごたえになります。
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ダイコン(大根)
- ダイコン(大根)はアブラナ科の主に肥大した根の部分を食用とする野菜で、古くから栽培されてきたために、地域ごとに在来品種が多く存在します。 また、昔から品種改良がおこなわれてきたので、長いものや丸いものなどバリエーションが豊富で、ダイコン(大根)の品種としては少なくとも200種類以上はあるともいわれています。辛みが特徴の辛み大根や、中国大根とよばれる内部が鮮やかな紅色や緑色のダイコン(大根)もあります。土地の名前が付いた品種も多く、その土地の食文化とも結びついています。 ダイコン(大根)の原種は、ほとんど根が太らないもので、いまでもヨーロッパでは大根と言えば二十日大根のように小さいものをイメージされます。それが日本に渡った後に、長い年月をかけて品種改良が重ねられ、今では世界一の重さを誇る「桜島大根」や、世界一長い「守口大根」が作られるようになりました。日本のダイコン(大根)の品種数や味のレベル、バリエーション、生産量、消費量は世界一です。 「ダイコン(大根)は根の部分を食べている」と、ほとんどの人が思っていますが、厳密にいえば胚軸と根が合わさった部分を食べています。その証拠に、ダイコン(大根)の下の方は根の付いていた痕跡のひげ根がありますが、上の方は表面がつるんとしています。畑でもダイコン(大根)の上の方は、土の上にはみだしているのが分かります。ダイコン(大根)の新芽である、かいわれ大根をよく観察すると、双葉の下に長く伸びた白い部分があります。これが胚軸部分です。 ダイコン(大根)の栽培時期は、厳寒地以外は春まきと秋まき、どちらも栽培できるので、時期に合った品種を選ぶことが大切です。 プランターで栽培する場合は、できるだけ深さのあるプランターを選び、培養土は粒子の細かいものを選びましょう。培養土の袋やペットボトルを使って栽培することもできます。 今からでも間に合う♪ペットボトルで大根を育てよう! 家庭菜園始めないの?と聞かれて、皆さんはなんと答えますか? 場所がない。 道具がない。 時間がない。 でも、… LOVEGREEN編集部 2018.08.24 家庭菜園・ハーブ
ニンジン
セリ科ニンジン属。ニンジンに含まれるカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わり、肌をつややかに保ったり、眼精疲労をやわらげると言われています。高血圧を予防するカリウム、骨を強化するカルシウムも含まれます。
▼ニンジンの詳しい育て方はこちら
ニンジン(人参)
- ニンジン(人参)はパセリやセロリの仲間で、セリ科の一年草です。三寸人参、五寸人参、春まき人参などの種類により、収穫するまでの栽培日数も違ってきます。 ニンジン(人参)は直根性のため、移植は不向きです。直にプランターや畑に種をまいて育てます。種をまいた後、主根を地中深く伸ばしながら、側根が生長します。主根の生長が終わると、根の上の方から少しずつ太りだし、大きくなっていきます。その証拠に、ニンジン(人参)を輪切りにしてみると、断面図が木の年輪のようになっています。 ニンジン(人参)は根を肥大させた部分を食べますが、ニンジン(人参)の細く繊細な葉にもとても栄養があり、葉が小さくて柔らかいうちはサラダにしたり、大きい葉になり少し硬くなると天ぷらなどにして食べることができます。 ニンジン(人参)の色はオレンジ色が一般的ですが、金時ニンジンのように赤い色、黄色や紫、白いニンジン(人参)まで様々な色があります。
リンゴ
バラ科リンゴ属。リンゴは整腸作用のある水溶性食物繊維ペクチンや、利尿作用のあるカリウム、エネルギー源となる果糖とブドウ糖がたっぷり含まれます。ペクチンは加熱やすりおろしにも強いと言われています。
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簡単キムチの作り方
材料
- 白菜1㎏(大1/3)
- ダイコン100g
- ニンジン1/2本
- だし昆布8g
- 水120㏄
- 塩大さじ2
ヤンニョムの材料
- 昆布だし80㏄、千切りにした昆布
- 韓国粉唐辛子(キムチ用)16g
- あみの塩辛20g
- おろしリンゴまたはナシ50g
- おろしニンニク10g
- おろしショウガ5g
- イワシエキス(ナンプラー)大さじ1と1/2
- 砂糖15g
- はちみつ小さじ1
- ネギ1/2本(斜め薄切り)
- ニラ1/3束(長さ4㎝に切る)
ヤンニョムとは、韓国の合わせ調味料のことです。焼肉などに下味をつける他、キムチ、チゲ、ナムルなどによく使われます。今回は、ヤンニョムに塩漬けした白菜と、細切りしたダイコン、ニンジンなどを混ぜてキムチを作ります。
あみの塩辛は、韓国食材店などで購入できます。
作り方
材料の下準備
- だし昆布を水に30分ほどつけ、だしが取れたら昆布を千切りにします。(だしも使うのでとっておきます。)
- 白菜は葉と芯の部分を分けてざく切りにします。
- ダイコン、ニンジンは皮をむいて4㎝ほどの細切りにします。
- ニラは、根元を切って長さ4㎝ほどに切ります。
- ネギは斜め薄切りにします。
- リンゴ、ニンニク、ショウガをすりおろします。
白菜の塩漬け下準備
ボウルに白菜の芯の部分と塩を入れ、全体を混ぜ合わせて水分を出すようにもみます。
白菜から水分が出てきたら、葉の部分も加えてさらにもんでなじませます。
白菜の上にラップをかけ、その上に水を入れた鍋などの重石を乗せ、1時間くらいそのままにしてさらに水分を出します。
1時間たったら白菜の水分を手で絞ります。
ヤンニョムの下準備、キムチの漬け込み
ボウルにヤンニョムの材料を混ぜ合わせていきます。
千切りにした昆布、ネギ、ニラを加えます。
その後、細切りにしたダイコンとニンジンも混ぜてヤンニョムを仕上げます。
ヤンニョムを、白菜の塩漬けに合わせていきます。
全体がなじむようによく混ぜて完成です!
簡単キムチを作ろう!
今回は、白菜を使った簡単キムチの作り方を紹介しました。私は秋冬によくこのレシピで簡単キムチを作ります。ヤンニョムを作るときの鮮やかな色と、野菜がきれいな唐辛子色に染まっていく様子が美しくてたまらなく好きです。
キムチは、唐辛子やニンニクなどの薬味の量や、どんな塩辛、野菜、果物を使うかによって仕上がった時の味わいが大きく変わります。毎回作るごとに少し違う風味に出来上がるのも楽しいですし、作り立ての浅漬け風の味も、なじんで深みが増した味のどちらも美味しいです。韓国産の甘めの唐辛子を使うので、子供も気に入ってよく食べています。
日に干した野菜を使ってキムチを作ると、味に深みが出てまた違う食感でおすすめです。 今回のレシピにキュウリを加えても美味しく食べられます。自分で育てた野菜を使ってキムチを作るのもいいですね!ぜひ、加える食材や分量を変えて作ってみて、ご家庭ごとの好みのキムチの味を見つけて下さい。
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