アネモネ・フルゲンスの育て方|植物図鑑

植物名
アネモネ・フルゲンス
学名

Anemone fulgens

科名
キンポウゲ科
属名
アネモネ属(イチリンソウ属)

アネモネ・フルゲンスの特徴

アネモネ・フルゲンスは、耐寒性球根で原種系アネモネの一種です。アネモネ・パボニナとアネモネ・ホルテンシスの品種が交雑したことによって生まれました。一般的なアネモネより小輪で、原種ならではの楚々とした雰囲気があります。

アネモネ・フルゲンスは、白、ピンク、ラベンダー、パープル、赤…と花色が豊富で、花弁(ガク)の色としべのネイビーの色合いに個体差があり、好みの色あいの苗を選ぶ楽しみもあります。

球根植物ですが、どちらかと言うと苗での流通が多いようです。花苗は年が明けた頃から春まで流通します。

一般的なアネモネの球根は花後に堀り上げが必要ですが、アネモネ・フルゲンスは環境が合えば植えっぱなしで管理できる球根のひとつです。

アネモネ・フルゲンスの詳細情報

園芸分類 球根
草丈・樹高 15~30cm
耐寒性 強い
耐暑性 弱い(高温多湿が苦手)
花色 白、ピンク系濃淡、赤、パープル、ラベンダー
開花時期 3月~4月

アネモネ・フルゲンスの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け(球根)
開花

アネモネ・フルゲンスの栽培環境

日当たり・置き場所

アネモネ・フルゲンスは、日当たりと風通しが良い場所に植え付けます。生長には寒さと日光、適切な水分が必要です。

温度

寒さを感じることによって花芽ができるので、冬の寒さに当てることが大切です。

用土

有機質の多い土を好みます。水はけが良く栄養が十分に含まれている土でないと球根が育ちません。植え付け前にあらかじめ腐葉土や肥料を施し混ぜ込んでおきましょう。

鉢植えは、球根専用の用土か草花用の培養土でも栽培可能です。

アネモネ・フルゲンスの育て方のポイント

水やり

鉢植えのアネモネ・フルゲンスは、球根から葉が出るまでに時間を要するので、水やりを忘れがちになります。鉢の表面の土が乾いたら水やりをしましょう。

地植えのアネモネ・フルゲンスは、水やりをすると球根が腐ってしまう可能性があります。植え付け直後以外は降雨に任せて問題ありません。

肥料

地植えは、充実した球根で、他の草花が咲いている庭ならば追肥しなくても育ちます。

鉢植えの追肥は、芽が出始めて暖かくなってきたら使用している花用の肥料の頻度を守って与えましょう。

アネモネ・フルゲンスの詳しい育て方

選び方

アネモネ・フルゲンスの流通は、球根と花苗の2通りです。

球根はカビなどがついていない球根を選びましょう。花苗は、葉の色がきれいな緑でつぼみが確認できるものを選ぶとよいでしょう。

植え付け

アネモネ・フルゲンスは秋に球根で植え付ける方法と、年明け以降に出回る花苗として植え付ける方法があります。

アネモネ・フルゲンスの球根は、チューリップやムスカリなどの球根と違い、すぐに植え付けることができず、「吸水処理」をしてから植え付ける必要があります。(下記に画像付きで給水処理をご紹介しています)

球根から植え付ける

球根は乾燥した状態で流通します。植え付けの時期は、紅葉が見ごろを迎えた頃が適時です。球根を買ったら、まずは給水処理を行います。吸水したバーミキュライトに乾燥した球根を尖った方を下にしてセットします。数日で干からびたような状態の球根が水を吸って大きくなってくるので、その状態になってから土に植え付けましょう。(水ゴケに包んで吸水処理を行う方法でも可能です)

球根は形が一定ではありませんが、尖った方を下、平らな方を上にして深さ2~3cmで植え付けます。球根と球根の間隔は15cm以上はあけましょう。鉢への植え付けは18cm~21cmの鉢に3~5球植えが目安です。

花苗の植え付け

庭や花壇、鉢植え、寄せ植えなど様々な植え付け方があります。花苗が出回るのが冬なので、庭への植え付けは霜の降りる時期を外した時期にしましょう。

発芽

秋に球根を植え付けて芽が出るのは2月~3月です。冬の気温が低い年は、なかなか芽がでないことがありますが、3月になると急に発芽し、生長を始めるので根気よく待ちましょう。

アネモネ・フルゲンスの花は春に開花します。花が終わったら、花茎のみ株元でカットしましょう。花は切り花として楽しむこともできます。

夏越し

アネモネ・フルゲンスの球根は、環境が合う場所であれば植えっぱなしで管理することができます。終わった花をカットした後は、自然に任せます。鉢植えは夏の間は、雨の当たらない場所に鉢を移動して断水します。

アネモネ・フルゲンスは高温多湿を嫌います。梅雨~真夏にかけて水はけが悪い場所だと球根が腐って来年開花することが難しくなる場合があります。夏の時期の水はけなどの環境が心配な場合は、葉が黄色くなってきた頃、球根を掘り上げて風通しの良い冷暗所で管理した方が確実です。

冬越し

耐寒性があるため特別な冬越しの必要はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

実生か株分け(球根の分割)で増やすことができます。

アネモネ・フルゲンスの球根の給水処理

アネモネフルゲンス

アネモネ・フルゲンスの球根

球根はとても小さく、乾燥した状態です。大きさは球根よってかなり個体差があります。

 

アネモネフルゲンス

吸水させたバーミキュライトに球根の尖った部分を下にして数日風通しの良い涼しい場所で管理します。

 

アネモネフルゲンス

小さかった球根が水を吸って次第に膨らんで大きくなってきます。球根全体が吸水したら植え付けの作業に入りましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
LOVEGREEN編集部アカウントです。編集部のスタッフが監修をしています。
監修している植物一覧を見る
植物の悩みならLOVEGREEN(ラブグリーン)のQ&A

人気の植物ランキング