アリウムの育て方|植物図鑑
- 植物名
- アリウム
- 学名
Allium
- 英名
- Allium
- 科名
- ユリ科(ネギ科)
- 属名
- アリウム属
- 原産地
- ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、中央アジアなど
アリウムの特徴
アリウムは大輪から小輪まで数百品種もあるユリ科の耐寒性球根です。花の他、ネギやタマネギ、ニンニク、ニラ、ハーブのチャイブなどもアリウムの仲間です。
種類によって、草丈、花のサイズや形が違いますが、それぞれユニークなフォルムをしたものが多く、園芸用としての他、切り花でも親しまれている植物です。
アリウムの開花時期は主に春から初夏にかけてが多いですが、近年、夏咲きのアリウムも登場しています。切り花として昔から親しまれているアリウムと言えば、アリウム・ギガンチウム、アリウム・コワニー、丹頂アリウムなどでしたが、最近は大輪種から小輪種まで切り花として流通する品種も飛躍的に多くなっています。
アリウムの花の咲き方は、小さな花が集まって球状や傘状の形を形成し、いっぺんに咲かず少しずつ開花していくため花持ちが良いのが特徴です。ピンク、紫、白、青、紫、黄色、複色など豊富な花色があります。
草丈は低いものは10cm前後、高いものは2mを超えるものがあり、品種によって様々です。一般的に丈が低くて球根の小さなものは植えっぱなし、丈が高くて球根が大きいものは花の開花後、掘り上げて管理するなど品種によって管理方法が違います。
変化に富んでユニークなフォルムの花は、庭に点在して植えてアクセントに、まとめて植えてフォーカルポイントにしたり道沿いに植えて目線を作ったりと、植え付け方で様々な雰囲気を演出することができます。
アリウムの詳細情報
園芸分類 | 球根 |
---|---|
草丈・樹高 | 10~200cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 品種による |
花色 | 白、ピンク、紫、青、黄色 |
開花時期 | 4月~9月(品種による) |
アリウムの種類
アリウム・ギガンチウム
初夏に直径15cmの巨大な球状の花が開花します。背丈も花のサイズも大きく、開花した姿はインパクトがあり、庭のフォーカルポイントになります。
アリウム・スコエノプラスム(チャイブ)
ハーブのチャイブ。料理用に育ていると様々な料理に役立ちます。
アリウム・シクラム
現在ではネクタロスコルダム属に分類が変わったため、正式名はネクタロスコルダム・シクラム。ただし、流通名は以前からの「アリウム・シクラム」という名で流通しています。
アリウム・シクラム
- アリウム・シクラムは、初夏にフォルムの美しい複色の花が開花する球根の花です。以前はユリ科アリウム属として分類されていましたが、現在ではネクタロスコルダム属に分類が変わったため、正式名はネクタロスコルダム・シクラムとなっています。ただし、流通名は以前からの「アリウム・シクラム」という名で流通しています。 アリウム・シクラムの花の色は、深みのある赤とクリーム色の複色です。1本の茎にたくさんの花が付き花火のような見た目、花のひとつひとつは俯きがちに開花します。地植えにすると1m前後の花丈になるため、庭や花壇に植えると素敵なアクセント的な存在になります。花は切り花としても流通しています。
アリウム・シュベルティ
超大輪のアリウム。1本の茎から小さな花が集合する形状の花の直径はバスケットボールサイズくらいになります。花火のような見た目の花は、庭に植栽すると目を引く存在です。
アリウム・サマードラマー
花はアリウム・ギガンチウムに似た球状で、背丈が2m近くになります。まっすぐな茎の先についた花はとても存在感があって庭のアクセントになります。
アリウム・サマードラマー
- アリウム・サマードラマーは、初夏に咲く草丈の高いアリウムです。アリウムは、品種によって背丈や開花時期、花の趣が違いますが、サマードラマーの花はアリウム・ギガンチウムに似た球状です。個体差がありますが、背丈が2m近くになります。まっすぐな茎の先についた花はとても存在感があって、庭のアクセントになります。 アリウム・サマードラマーの花は、つぼみの時はネギ坊主のような形をしています。花の周りには薄皮がつき、頂部がとんがったつぼみの様子も存在感があります。その薄皮が取れると、無数の花が集合した花が顔を覗かせます。花は一度に咲かず、少しずつ開花します。アリウム・サマードラマーは切り花にしてもとても長持ちするため、生花としても流通しています。
丹頂アリウム
花のサイズはアリウムの中では小さめの3cm程度。丈夫で植えっ放しでもよく育つタイプのアリウムです。庭で咲いている時の丹頂アリウムはまっすぐな茎ですが、切り花として流通している、くねくねした丹頂アリウムは人の手によって茎をくねらせて栽培して出荷されたものです。
丹頂アリウム
- 丹頂アリウムは、初夏に開花する球根の花。開花前はネギ坊主のような独特のフォルムをしていて、花は薄皮をかぶっています。すっとした直線的な姿は庭のアクセントとして目立つ存在になります。背丈は50~70cmありますが、花のサイズはアリウムの中では小さめの3cm程度です。小さな花が集合して球状の形をした花は少しずつ色づいていくので花は長持ちします。丈夫で植えっ放しでもよく育つタイプのアリウムです。 庭で咲いている時の丹頂アリウムはまっすぐな茎ですが、花屋さんでくねくねした茎の丹頂アリウムを見たことがある方も多いのではないでしょうか。切り花として流通している、くねくねした丹頂アリウムは、人の手によって茎をくねらせて栽培して出荷されたものです。とても手の込んだ切り花です。踊るようなフォルムはフラワーアレンジや花束のアクセントになります。
アリウム・カエルレウム
小輪品種で初夏にシルバーブルーの星形の小花が球状に開花します。小輪ながら爽やかなブルーの花が庭や花壇の中でアクセントとして引き立ちます。
アリウム・リトル ガーディアン
暑さに強く、夏に花が咲くのが特徴。草丈15~20cmのコンパクトな品種。
アリウム・リトルガーディアン
- アリウム・リトルガーディアンは、夏に花が咲く夏咲きアリウムです。アリウムは数多くの品種がある植物ですが、一般的な開花時期は春~初夏なのに対して、リトルガーディアンは暑さに強く、夏に花が咲くのが特徴です。最近、リトルガーディアンの他に、いくつかの夏咲き品種が登場しています。 その中でもアリウム・リトルガーディアンは、草丈15~20cmのコンパクトな品種です。花はハーブのチャイブに似た雰囲気ですが、チャイブよりもう少し大きいサイズです。庭や花壇のフロントに植栽すると見栄えがし、鉢植え栽培にも適しています。 一輪一輪の花が長持ちするのも特徴のひとつです。夏の強い日差しにも負けず葉が生い茂り、花も長持ちします。小ぶりな花は様々な夏の宿根草と相性が良く、夏の庭や花壇のアクセントとして活躍する存在です。 一般的なアリウムは、初夏の花が終わると秋は落葉していますが、アリウム・リトルガーディアンは秋も葉を保ち、冬に近づくにつれて落葉します。球根は植えっぱなしで管理することができます。
アリウムの栽培環境
日当たり・置き場所
球根は日当たりと風通しの良い場所に植え付けましょう。
用土
水はけの良い土が向いています。アリウム類は酸性土壌を嫌うため、植え付ける2週間くらい前に苦土石灰もしくは有機石灰を混ぜ込んで土の酸度を調整してください。
鉢植えの場合は、 草花用の培養土でも問題なく育ちます。
アリウムの育て方のポイント
水やり
庭植えのアリウムは、植え付け直後にたっぷりと水を与えます。その後は基本的には降雨に任せて問題ありませんが、土の表面が乾いていたら水やりをしましょう。品種によっては、初夏の開花の頃に水切れを起こすと、葉先が枯れたり、花の形がいびつになったりするので注意しましょう。
鉢植えの場合、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりとを目安に与えます。完全に水切れを起こすと花が咲かなくなるので注意しましょう。
肥料
植え付け前に土をよく耕し、腐葉土や堆肥などの有機質と緩効性肥料を漉き込みます。一般的に大輪種の方が肥料を多く必要とします。肥料が足りないと葉の色が悪くなるなどのサインを出すので、よく観察して追肥をするようにしましょう。
病害虫
特別な病害虫の害はありません。
アリウムの詳しい育て方
選び方
しっかりとした重さがあって、カビが生えていないきれいな球根を選びましょう。品種によっては主に苗ものとして流通に限られている場合もあります。
植え付け
球根の植え付けは10月~12月に行います。大輪種は植え付けが遅くなると花のサイズが通常より小さくなってしまうこともあります。
アリウムの球根は、品種によって小さなものから大きなものまで様々です。
草丈の低い品種や小さな球根の品種は、深さ5cm程度、隣の球根との間隔は7~8cmが目安です。
草丈が高く大きな球根の品種は、深さ10cm程度、隣の球根との間隔は20~30cmが目安です。
品種によって様々なので、球根の袋に記載されている深さと間隔を必ず確認してから植え付けするようにしましょう。
花
アリウムの花は主に春から初夏に開花しますが、最近、夏咲きアリウムも登場しています。
花が終わったら花茎のみカットして葉が黄色くなるまではそのまま管理します。アリウムの花後の管理は、小輪種は植えっぱなし、大輪種は堀り上げて管理するのが一般的です。品種ごとに違うので必ず確認しましょう。
夏越し
花が終わったら、花茎のみ摘み取ります。その後、葉が黄色く枯れ始めたら球根を掘り上げましょう。球根は植え付けの時期まで日陰の涼しい場所で保管します。小輪種は植えっぱなしできるものもあります。
冬越し
耐寒性があるので特別な冬越しの必要はありません。鉢植えの場合は、完全に水切れを起こすと花が咲きません。鉢の表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。