紫陽花(アジサイ)の剪定|切り方と剪定時期がポイント!

金子三保子
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アジサイの剪定が今ひとつよくわからないということをよく耳にします。アジサイは落葉性の低木ですが、剪定を一度もしないと、どんどん大きくなる生長力のある植物です。
来年もきれいな花を咲かせるためのアジサイの剪定の時期や方法、手入れなどを写真つきでご紹介します。
目次
- 紫陽花(アジサイ)を剪定する上で知っておきたいこと
- 紫陽花(アジサイ)の剪定
- 紫陽花(アジサイ)の剪定の時期
- 紫陽花(アジサイ)の剪定方法
- 紫陽花(アジサイ)の剪定の手入れ|植え替え
- 紫陽花(アジサイ)の剪定後の手入れ|落葉後の注意点
- アジサイ(紫陽花)が大きくなりすぎたら|強剪定
- 紫陽花(アジサイ)の名所に行くのは7月上旬までがおすすめ!
- 紫陽花(アジサイ)の剪定後の生長の様子
紫陽花(アジサイ)を剪定する上で知っておきたいこと
紫陽花(アジサイ)の花のつき方
アジサイの植物の分類は落葉低木。性質はとても強く、地植えして根付いた後のアジサイは水やりも必要なく、公共施設や公園などの広い空間に植えると、どんどん大きくなります。
アジサイの花のつき方には法則的なことがあり、今年に伸びた枝には翌年には花がつかないという特徴があります。ではどこにつくのかというと、今年伸びた枝の下に位置する昨年伸びた枝の付け根に花芽をつけます。そのためアジサイの花は、今年伸びた枝に2年越しで花が咲くという流れになります。
紫陽花(アジサイ)の剪定
紫陽花(アジサイ)の剪定は必ずしなければならない?
アジサイは剪定しなければ咲かないかというと、そんなことはありません。
アジサイは剪定しなくても咲きますし、むしろ咲かない理由の一番は切りすぎて花芽まで切ってしまったというのが一番多い原因ではないかと思います。
ただしアジサイは性質が強健で、剪定せずに伸ばしていくと、どんどん背丈が高くなります。また、アジサイの花のつき方の特徴として茎の先に花芽がつくため、剪定をしないで伸ばしていくと花の位置が目線より高いところになってしまいます。
そのため地植えのアジサイの場合でも「きれいだな」と思うところに花の位置がくるように剪定していくのが一般的です。
鉢植えの紫陽花(アジサイ)の剪定
鉢植えのアジサイの場合は、もともと限られた土の中で生きているので、次の花のために養分を回すためにも花が終わったら早めに剪定をするのが肝心です。
アジサイの鉢植えは花後に剪定と植え替えを必ず行いましょう。もしもアジサイを地植えにしたいのなら、植え付けは落葉期に行います。
紫陽花(アジサイ)の剪定の時期
剪定はいつまでにやればいい?
アジサイの花が終わる7月の半ばくらいまでには剪定を済ませるようにします。アジサイは終った花が「散る」ということがない特徴があります。アジサイは自然に散ることがないので、花を取り去る作業が必要です。
ではなぜ7月なのかというと、アジサイの来年の花芽が形成されるのが気温が下がりだす秋だから。秋以降に深く剪定をしてしまうと、来年の花芽を切ってしまう可能性があります。
特に鉢植えのアジサイは少ない土の中で生きているので、終わった花をいつまでもつけておくより、早めに剪定して株をすっきりと風通し良くした方が、次の年の花のためにエネルギーがいきやすくなります。
気づいたらもう7月後半だった!という方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。上記の通り、アジサイの花芽を切る心配のない剪定の限界は夏場まで。ただし「終わった花はいつまでもつけておくより、剪定した方が株のためにはなる」ということは心にとめておくと毎年花が咲く剪定ができるようになるはずです。
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紫陽花(アジサイ)の剪定方法
剪定する場所
1.アジサイの花が終わったら、花から2節~3節下の充実した脇芽が出ている上でカットします。(ピンク部分)
時期的には7月半ばまでには剪定します。まだ花が終っていなくても、剪定した花は切り花として楽しむ感覚で、剪定の時期は守ったほうが翌年の花のためになります。花が咲かなかった枝は剪定せずに残します。
2.脇芽が茎になっていき、2年かけて茎の頂点に花が咲きます。
11月~3月の落葉期は、充実した花芽ができそうにない細い枝や枯れてしまっている枝を剪定します。わからないようだったら1の作業だけでも大丈夫です。
今年花が咲かなかった枝は剪定する?
今年花が咲かなかった枝は、充実した枝なら来年に開花する可能性があるので剪定しません。アジサイは2年かけて花を咲かせるので、剪定してしまうとその枝からは来年は花がつかないことになります。咲かなかった枝で切ったほうがよいのは、細くて充実していない枝、このまま伸びてしまうと横に張りすぎてしまい邪魔……などの理由がある枝のみです。
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紫陽花(アジサイ)の剪定の手入れ|植え替え
鉢植えの紫陽花(アジサイ)の植え替え
鉢植えのアジサイは1~2年に1回、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
植え替えは剪定後か落葉期に行います。
鉢植えのアジサイは、限られた土で生きています。アジサイは生長力が強い植物なので、何年も放置すると根が回ってしまい、花を咲かせたくても養分がなくて咲かないという状態になってしまいます。
アジサイなどの落葉花木類の植え付けや植え替えは落葉期に行うのが一般的ですが、今年購入したアジサイの鉢植えは、花が終わったら剪定後、必ず一回り大きな鉢に植え替えましょう。
販売されているアジサイの鉢植えは、花のボリュームに対してとても小さな鉢に植えられています。植え替えの時に感じるかもしれませんが、ほとんどのアジサイは根が回って土の分量は限りなく少なくなっているはず。このままでは来年花を咲かせるための余力がありません。また、年々気温が上昇する夏に、鉢の中で根が回って土が少ない状態だと、頻繁に水切れを起こす可能性があります。そのため購入した年は必ず植え替えをして真夏を迎えるようにすると、夏越ししやすくなります。
紫陽花(アジサイ)の剪定後の手入れ|落葉後の注意点
アジサイの剪定後から秋まではアジサイの生長期。花芽や葉芽が出来てくるのが目で確認することができます。晩秋になるとアジサイは落葉性の植物なので葉が落葉します。
アジサイを庭に植え付ける場合は、葉が落葉している冬場に行います。
アジサイは一度植えた後は何度も植え替え直すことのできる植物ではありません。また、数年すると高さも横幅もかなりのサイズになります。5年後~10年後をイメージして・・・植える場所はよく考えて決めると大きくなって後悔することがありません。
落葉期のアジサイは、見た目には枯れ木状態ですが根っこは生きています!鉢植えのアジサイは水やりを忘れないようにしてください。
アジサイ(紫陽花)が大きくなりすぎたら|強剪定
アジサイの剪定のところでご紹介した「花の2~3節下の芽の上で剪定する」をし続ていると、何年もすると丈がかなり高くなってしまい、花がきれいに見えないところで開花するということになります。
また、アジサイは何年もすると、かなりの横幅にもなります。そんなときには、全体の株の半分もしくは三分の一くらいの丈でばっさりと切り詰めるという強剪定をして株を低めにして花が美しく見える位置に調整をしなおします。
ただし、強剪定した翌年のアジサイは花が咲かない可能性があります。
紫陽花(アジサイ)の名所に行くのは7月上旬までがおすすめ!
アジサイで有名な観光名所は、例年、7月の上旬ごろに剪定しているところが多いようです。これは、来年も美しい花を確実に咲かせるために行う作業です。行ったら剪定後で花がなかった!というのは悲しいですよね。
観光協会、市役所、施設などのホームページで、見頃や剪定についてのお知らせがされていることも多いので、7月以降にアジサイを見に行くことを計画している方は情報を調べてから行くことをおすすめします。
▼アジサイで有名な鎌倉。おすすめスポットをご紹介しています。
紫陽花(アジサイ)の剪定後の生長の様子
夏の剪定後のアジサイは秋までは葉っぱがありますが、冬になると落葉します。冬の間は枯れ木のような見た目です。
2月後半~3月上旬のアジサイ
冬場は枯れ木のような状態だったアジサイの枝が割れるようにして新しい芽が出ます。この芽が日ごとに葉っぱへ生長します。
2月後半~3月上旬のアジサイ
4月上旬のアジサイ
小さなつぼみが目で確認できるようになります。
5月上旬のアジサイ
5月中旬以降には花のサイズは実寸になり、開花が早い年は5月後半くらいから色づき始めます。
5月中旬のアジサイ
5月後半のアジサイ
6月前半のアジサイ
6月中旬のアジサイ
色づき始まります。6月いっぱい楽しんで、7月中に剪定作業を済ませましょう。
翌年もきれいなアジサイの花を楽しむために・・・時期をおさえた剪定をしてみてください!
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