サルビアの育て方|植物図鑑

植物名
サルビア
学名

Salvia

英名
Sage,Salvia
科名
シソ科
属名
サルビア属
原産地
南米・北米

サルビアの特徴

サルビアの仲間は熱帯から亜熱帯に分布するシソ科の多年草です。サルビアはセージとも呼ばれ、その品種は900種以上に及び、ハーブや観賞用として幅広く利用されています。サルビアは宿根性の品種が多い植物ですが、一・二年草から木本性の低木になるものまであります。サルビアは19世紀初頭にヨーロッパに伝わり改良が進みました。サルビアは、耐暑性はありますが耐寒性は種によってさまざまです。

サルビアの品種の中で、燃えるような赤い花をつけるブラジル原産の「サルビア・スプレンデンス」が最もよく知られているサルビアでしょう。サルビアは暑さに強い性質や花期が長いことから夏から秋にかけての花壇で活躍します。サルビアは住宅の花壇の他、公園や街路など公共の場でもよく用いられています。

サルビアの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 30~100cm
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
花色 赤、ピンク、オレンジ、白、紫、緑、青、複色等
開花時期 6月~11月

サルビアの種類

ブルーサルビア

ブルーサルビア

  • サルビアは、とても種類が多く、ハーブのセージもサルビアの仲間なので、すべてのサルビアの品種の数は数百品種あります。毎年のように新品種が出てくるので、その数は増えるばかりです。ブルーサルビア(サルビア・ファリナセア)や赤いサルビア「スプレンデンス」は、もともとは原産地では宿根草ですが、耐寒性がないため、日本では一年草として分類されています。ただ、寒さよけさえ確保できれば、越冬する可能性も秘めている植物です。開花期間が5月~10月(東京だと11月くらいまで咲いていることも)と半年も咲いてくれる上、暑さに強い性質でありことから夏から秋にかけての花壇材料によく使われ、公園や街路などの公共花壇でもよく用いられます。

サルビア・アズレア

サルビア・アズレア

  • サルビア・アズレアは、シソ科の多年草。サルビアは、初夏から秋の花ですが、品種によって開花期間が様々です。一年草扱いのスプレンデンスやブルーサルビアは初夏から晩秋まで長く咲き続けますが、サルビア・アズレアは開花時期が晩夏~秋にかけて咲くサルビアです。一度植え付けると、ぐんぐんと伸びます。サルビアの中では一番丈の高くなる品種のひとつです。 学名のアズレアは、空色(azurea)からついたようで、名前の通り、透明感のある空色で、背丈の高い空色の花が穂状にびっしりと咲く姿がとても美しく、目を引きます。広い空間に植えると、とても目を引く草花です。きちっとおすましした雰囲気ではなく、自然に自由奔放に茎が伸びるので、ナチュラルガーデンに向いています。

セージ

セージ

  • セージは、ヨーロッパ地中海原産のシソ科のハーブ。和名は「ヤクヨウサルビア」と呼ばれてます。セージは「コモンセージ」「ホワイトセージ」、「ゴールデンセージ」、「パープルセージ」、他にも種類が豊富にあるのも人気の理由のひとつ。コモンセージは古代ギリシア・ローマの時代から免疫力を助ける薬草や香辛料として活用され長寿のハーブの呼び名も。料理のスパイスや臭み消し、ハーブティーなどに利用されてます。

アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)

アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)

  • アメジストセージはメキシコから中米原産の多年草です。庭植えでも鉢植えでも育てられます。 学名はSalvia leucantha(サルビア・レウカンサ)ですが、アメジストセージの名前で流通しています。薬効のあるセージではないので、主に観賞目的で植えられます。シルバーグリーンの葉と晩夏から秋にかけて咲く紫色の花が美しい植物です。正しくは、ベルベットのような質感の部分は花ではなくガクで、花はガクから突き出すように咲きます。花色は白や紫、ピンクがあります。すっと長く伸びた花茎の先に縦に連なるように紫色の花穂を付けます。鮮やかな紫色の花が風に揺れるように咲く姿は美しく、目を奪われます。 アメジストセージは草丈高く生長し、伸びすぎると株元の方が木化します。あまり大きくしないために剪定の必要があります。アメジストセージは真直ぐ上には伸びないという特徴があります。株元に近い部分から地表を這うように斜め上に伸びていきます。強風で倒れてしまうこともあるので、必要に応じて支柱を立てましょう。  

ボックセージ(サルビア・ウルギノーサ)

ボックセージ(サルビア・ウルギノーサ)

  • ボックセージ(サルビア・ウルギノーサ)は、初夏から秋にかけて澄んだブルーの花を咲かせる耐寒性多年草です。ハーブの仲間ですが、用途は主に観賞用です。 名前のボックは湿地を意味する言葉で、数多くの種類のあるサルビア、セージ類は乾燥を好みますが、このボックセージ(サルビア・ウルギノーサ)は湿地を好み、極端に乾燥している土地への植栽は向かない種類です。 暑さ寒さに強く、春に植栽すればその年中にたくさんの花が咲く丈夫で生長の早い草花です。穂状の花のひとつひとつが小ぶりで繊細で優しい風情があり、澄んだブルーの花色は涼やかな雰囲気です。 ボックセージ(サルビア・ウルギノーサ)は、背丈がとても高くなるセージのひとつです。

コモンセージ

コモンセージ

  • コモンセージはヨーロッパ地中海原産のシソ科のハーブ。コモンセージは古代ギリシア・ローマの時代から免疫力を助ける薬草や香辛料として活用され長寿のハーブの呼び名もあります。ハーブの「セージ」いえばコモンセージで、料理のスパイスや臭み消し、ハーブティーなどに利用されています。 コモンセージは初夏に咲く花も美しく、鑑賞用としても利用されています。葉の色はシルバーグリーンなので、花のない季節はカラーリーフとしても美しいハーブです。

メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)

メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)

  • メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)は、シソ科の多年草です。流通名のメドーセージは日本国内のみの流通名です。メドーセージいう名前は、本来は他のシソ科の植物を指します。 メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)は非常に強健で、暑い夏の盛りから秋まで花を咲かせてくれます。花色は濃い青から深い紫まであります。ガクが黒いのが特徴です。花は長さ3~4cm程度、シソ科特有のリップ状の特徴的な形状をしています。すっと伸びた茎に縦に連なるように10輪前後の花を咲かせます。 メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)は、開花期に切り戻しを行うと長く花を楽しめます。また、思い切って切り戻すことで小さめに仕立てて楽しむことが出来ます。地下茎で増えるので、庭植にすると群生します。  

クレベラントセージ

クレベラントセージ

  • クレベラントセージは、カルフォルニア原産の常緑低木で、初夏から秋にかけて、淡い紫色の花を咲かせる観賞用のセージです。クレベラントセージの花は、茎に段々とリング状の小さな花が集合している姿で咲きます。茎は柔らかい毛に覆われて、葉っぱには甘い香りがあります。葉っぱのシルバーグリーンと、花の淡い紫色の色合わせがとても美しく、涼しげな雰囲気があります。

ペインテッドセージ(サルビアホルミナム)

ペインテッドセージ(サルビアホルミナム)

  • ペインテッドセージは、ミントに似た葉の形をしたハーブ。利用用途は主に観賞用のハーブで、東京だと4月ごろから梅雨入りくらいまでの一年草です。

チェリーセージ

チェリーセージ

  • チェリーセージの葉はさくらんぼに似ていて、なんと匂いまでもさくらんぼのような香りがします。背丈は40cm~1.5mくらいまで伸びます。花びらの色が赤、ピンクや白のものや赤と白が混じっている品種もあります。庭に地植えにすると自然に増えて育ち、挿し木で増やすことができます。殺菌作用や解熱の効果があるハーブティーとしても知られており、お菓子のシロップやサラダにも利用されています。花に香りがあるので部屋に切り花として刺したり、押し花アートやドライフラワーなどのインテリアとしても活用することができます。 チェリーセージは、いくつかの品種の総称で、とても長い期間(5月~11月)開花する多年草(宿根草)です。普通のセージは、ブルー・紫系の花が多いですが、チェリーセージの特徴は豊富な花色。毎年新しい色の新品種が創り出されています。

ホワイトセージ

ホワイトセージ

  • ホワイトセージは正式名称がサルビア・アピアナで高さ1.5mほどになる常緑の低木です。アメリカのカリフォルニア州南西部に分布しており、茎や葉など全体が白っぽく見えることからホワイトセージと呼ばれています。葉は長さ15センチほどの楕円形で両面に細かな毛が生えています。葉には油分を含み、こするとセージの香りを一層強くしたような芳香があります。1mほど花茎をのばした先端に春に咲く花は白から淡いラベンダー色になり、ミツバチにとっての蜜源植物でもあります。特にネイティブアメリカンの生活に利用される機会が多く、宗教儀式の香として焚いたり薬草として葉を食べたり煙をかぶったり、また食用にも用いられています。

サルビアの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
肥料
開花

サルビアの栽培環境

日当たり・置き場所

サルビアは、日当たりと風通し良く、水はけが良い場所を好みます。

用土

鉢植えのサルビアは、市販の園芸用培養土でも問題なく育ちます。サルビアは開花期間が長いので元肥は必ず入れましょう。

庭植えのサルビアは特に土壌は選びませんが、鉢植えと同様にしっかりと元肥を入れることで花付きが良くなります。

サルビアの育て方のポイント

水やり

庭植えのサルビアは定植後にたっぷりと水をやります。根付いてからはほとんど水やりの必要ありません。ただし夏季など乾燥した日が続き、葉が萎れるような時は早朝か夕方にたっぷりと水やりをします。

鉢植えのサルビアは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。

肥料

サルビアは開花期間が長い花なので、定期的に肥料を施します。肥料は、固形、液体、どちらでも大丈夫ですが、それぞれの肥料の使用頻度を守って追肥しましょう。

病害虫

ヨトウムシ:ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、年に2回ほど発生します。ハスモンヨトウ、シトシタヨトウなどの種類も含めヨトウムシと呼ばれてます。昼間は土の中に隠れていて、夜になると一斉に出てきて活動します。
幼虫は葉や茎部分を集団で食害するため、葉が気づいたら丸坊主になっていることがあります。一度に大量に産卵するので、これが孵化しないうちにこまめに葉をチェックして、見つけ次第、葉を摘み取りましょう。孵化してしまった場合、群生するため比較的見つけやすいです。見つけたらすぐに捕殺しましょう。
うどんこ病:植物の葉などに粉をまぶしたように白くなるのがうどんこ病です。うどんこ病は5月~6月と9月~10月に発生しやすい病気で、はじめはぽつぽつと白く粉をふいている感じに見えますが、悪化してくると葉の全面が真っ白になっていき、植物全体に蔓延すると茎や果実にも発生し、とても厄介です。早めに対策しましょう。

サルビアの詳しい育て方

選び方

サルビアの苗は、茎が太くしっかりとしていて葉色が濃く、黄色く変色していない苗を選びましょう。また、葉に茶色い斑点やアブラムシなどの害虫がついていないサルビアを選びましょう。

種まき

サルビアの品種によって若干時期が異なりますが、発芽適温が25度~30度と発芽に高温が必要なものが多いため、あまり早い時期にタネをまくとなかなか芽がでてきません。5月上旬より早くまく場合は加温が必要です。サルビアは発芽には1週間ほどかかります。

植え付け

サルビアは品種によって、背丈にかなり違いがあります。いずれも、日当たりと水はけが良い場所を選び、背の低い品種は20cm間隔に、コッキネアのような高性種は30cmほど株間をあけて植え付けます。サルビアは植え付け前に必ず生長した時の丈を調べてから、植え付け場所を決めましょう。

剪定・切り戻し

サルビアの花が咲き終わった枝は、葉が5枚以上ついているところで花穂ごと切り取ります。切ったあとから新しい芽が伸びて再び花が咲きます。
サルビアは、夏の暑い間も咲かせ続けると、株が疲れて秋に弱り気味になることがあります。8月頃に全体的に半分くらいまで切り戻しをすると、夏の暑い時期にエネルギーを温存し、秋に充実した株になります。9月以降に大きな切り戻しをすると、秋の開花に間に合わなくなるので、秋以降は通常の花がら摘みに留めます。

植え替え・鉢替え

鉢植えで育てている宿根草のサルビアは、1年に1回、1回り大きな鉢に新しい土で植え替えるか、株分けをしましょう。

一年草のサルビアは、冬前に寿命を終えるので、植え替えの必要はありません。

サルビアは品種によって開花期間が若干違いますが、多くの品種は、6月~11月に休みなく開花します。開花期間が長い品種のサルビアは、真夏になる前に切り戻しをすると、秋からたくさんの花を咲かせます。

収穫

サルビアの品種によっては、切り花やドライフラワーにすることができるものもあります。

夏越し

サルビアは、夏の暑い間も咲かせ続けると、株が疲れて秋に弱り気味になることがあります。8月頃に全体的に半分くらいまで切り戻しをすると、夏の暑さにエネルギーを温存し、秋に充実した株になります。初夏早くから植えこんだサルビアは切り戻しをすることをおすすめします。

冬越し

赤いサルビア、「スプレンデンス」や、ブルーサルビアは、日本では一年草扱いです。ただし、暖地だと越冬できる場合もあります。冬越しさせる場合は、地際で切り詰めて管理します。

サルビアでも宿根性のサルビアは耐寒性があるので、冬越しをすれば年々見事な大株になります。宿根サルビアの冬越しは、地際で切り詰めておけば春に新しい芽が芽吹きます。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

一年草のサルビアは種で増やすことができます。宿根草のサルビアは、挿し木か株分けで増やします。

ブルーサルビアの花がら摘み

終ったサルビアの花(花ガラ)は、まめに剪定しましょう。

終ったサルビアの花(花がら)は、まめに剪定しましょう。

線を引いた部分で剪定をします。

サルビアの次の花の芽は、今、咲いている花の両脇につきます。

サルビアの次の花の芽は、今、咲いている花の両脇につきます。(〇印の部分)

終わった花がらをまめに取り去って、次の花にエネルギーが回るようにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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